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アルマロスinゼロの使い魔
第十七話  削れ行く堕天使の命
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ていた。
 艦隊も次々に撃ち落されて海へ落ちていく。
 見えないほどの速度で撃たれる光の矢に、竜の翼が撃ち抜かれ、鎧ごと体を貫かれる。
「やはり来たか、堕天使!」
「フォオオオオオオオン!」
 風竜に乗ったワルドが接近してきた。
 アルマロスは、ワルドの突撃を避けた。
 ふいにズキンッと大きな痛みが走り、咄嗟に胸を抑えた。
「どうやら万全ではないらしいな!」
 ワルドが笑い、魔法を放ってきた。
 ライトニング・クラウドがアルマロスの翼に当たり、アルマロスの体が地へ落ちていった。
 そこへダメ押しとばかりに周りにいた竜騎兵から魔法や火ノブレスが放たれアルマロスを攻撃した。
「フ…、フオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!」
 絶叫したアルマロスの背に再び翼が発生し、体制を整えたアルマロスは、ガーレを飛ばした。
 集まっていた竜騎兵はたちどころに撃ち落されていった。
 ワルドの風竜も、そしてワルドも背中を撃たれ、墜落していった。
 あらかた竜騎兵を撃ち落したアルマロスは、吐血した。
 限界は近かった。





***





 タバサの風竜・シルフィードに乗ったルイズは、上空で戦うアルマロスを見つけた。
「アルマロス!」
「危険。」
 タバサが言った。
 遠目に見て、アルマロスが吐血するのが見えた。
「アルマロス!」
 ルイズは、身を乗り出すがタバサが止めた。
 タバサは、これ以上は近づけないと言った。
 草原にはアルビオン兵で埋め尽くされ、竜騎兵は全滅したが上空にはいまだ多くの艦隊がいる。
 ルイズは、自問自答した。
 なんとか、なんとかしなければ、アルマロスは…。
 ふと自分が持っている始祖の祈?書を見た。
 いつの間にか開かれていた白紙のページに、何か文字が浮かんでいた。
「これは…。」
「なに?」
「もしかしたら…これで…。」
 タバサを無視して、ルイズは夢中で始祖の祈?書を読んだ。
 そこには、伝説の系統、虚無のことが書かれていた。
「……エオルー・スーヌ・フィル・ヤルンサクサ…。」
 ルイズは始祖の祈祷書に浮かんだルーンを詠唱しだした。
「オス・スーヌ・ウリュ・ルラド…。」
 目を閉じ、杖を構え、詠唱を続ける。
「ベオーズズ・ユル・スヴュエル・カノ・オシェラ…。」
 アルマロスのことを想う。
 彼は命を懸けて戦っているのだ。ならば自分も…。
「ジェラ・イサ・ウジュー・ハガル・ベオークン・イル……。」
 長い詠唱の末、ルイズは目を開き、杖を振るった。

 強大な爆発が、空に広がり、艦隊を燃やした。
 
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