第十七話 削れ行く堕天使の命
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翌朝のことだった。
アルビオンがトリスティンに攻め入ってきたという報が入ったのは。
それもタルブ村が戦場になっているという。
アルマロスは、それを聞いて目を見開き、駆けだそうとしていた。
それをルイズが腕を掴んで止めた。
「アルマロス、どうする気なの? まさか行く気なの?」
「……。」
「あなたが一人で行ったところで何もならないわ。いくらあなたが強くっても相手は大国よ!」
「フォオオン…。」
アルマロスは、やんわりとルイズの手を離させた。
そしてその手を取り、字を書いた。
いずれ敵は、この学院にも攻め込んでくるだろうと、書いた。
「でもゲルマニアに救援を要請すれば…、だって同盟国なのよ?」
「フォオン…。」
恐らく間に合わないとアルマロスは首を振った。
「ダメ…、ダメだよ。行かせられない!」
「……。」
ふるふると首を振るルイズの肩をアルマロスは押した。
するとアルマロス背に、半透明の翼が現れた。
「アルマロス!」
ふわりと浮いたアルマロスを掴もうとルイズが手を伸ばすがそれよりも早く、アルマロスは宙に浮き、猛スピードで空へ舞い上がって行った。
空へ飛んでいったアルマロスを見て、ルイズは居ても立っても居られず、タバサのもとへ走った。
「アルマロスを助けたいの!」
そうタバサに縋りつくように叫んだ。
***
空を飛びながらアルマロスは、胸が痛むのを感じた。
ズキリズキリっと痛むのを堪え、飛び続ける。
やがてもうもうと燃え盛る草原が見え、空に浮かぶ艦隊と、竜に跨った人間達が見えた。
「フォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!」
アルマロスは、ガーレを装備し、光の矢を竜兵達に放った。
突然の襲撃に対応できなかった竜兵達がたちまち撃ち落された。
腕を振るい、矢の軌道を変え、変幻自在のガーレの動きで次々に竜を撃ち落していく。
艦隊にも穴を空け、手加減なしに破壊していく。
アルマロスを撃ち落そうと砲撃が、魔法が四方八方から飛んでくるが、アルマロスはすべて避け、無効化し、次々に大軍を蹂躙していった。
その間にも胸は痛んだ。
まるで自分の中の何かが削れていくような、そんな気がした。
だがそんなことは構っていられない。
守らなければ。
戦わなければならない。
自分を慕ってくれる人達、自分を助けてくれたルイズのため、戦わなければ、守らなければならないのだと。
そのためならば自分は…。
アルマロスは、歯を食いしばり、ガーレを振るい続けた。
突然の、それもたった一人の襲撃者のより、アルビオンが誇る竜騎兵達は混乱し
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