第十六話 痛み
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ここは、保健室だろうか、ベットの上に寝かされていた。
「フォオン…。」
「あ…、アルマロス?」
ルイズが顔を上げた。彼女の目に涙が浮かぶ。
「バカ…、バカバカバカバカ! 心配させないでよ!」
ルイズがアルマロスの体に抱き付いた。
グスグスッと泣くルイズの頭を撫でた。
心配させてごめんっと。
「急にどうしたのよ?」
「フォオオン。」
ルイズの手に字を書いた。
急に胸が痛んだと書いた。
「大丈夫なの?」
もう大丈夫だと伝えた。
ルイズの手がアルマロスの右胸を撫でた。
「これが原因?」
それは分からない。
けれど右胸が痛んだのだ。
原因について考えられるのは、やはり右胸のルーンくらいだ。
「ねえ、アルマロス…、死んじゃったりなんて…しないわよね?」
ルイズをおいて死ぬわけにはわけにはいかない。
けれど…、もし…もしものことがあったら…。自分は…。
「アルマロス。ダメよ。絶対ダメだから! もし何かっても命を無駄にしないで!」
アルマロスの考えを呼んだのかそんなタイミングでルイズが叫んだ。
アルマロスは、苦笑し、ルイズの頭を撫でる。
ダメと言われても、自分は……きっと…。
冥界に攫われた少女を助けるために躊躇いもなく冥界に飛び込んでいったイーノックのように、躊躇いはしないだろう。
ふと窓を見ると、また雪が降っていた。
なぜだろう。
あの雪を見ていると、とても不吉な気持ちになる。
その不吉は、間もなく現実となる。
アルビオン共和国、レコン・キスタがトリスティンに侵攻してきたのである。
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