第十六話 痛み
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「ダーリン!?」
「大変! アルマロスさん、大丈夫ですか!」
「…フォオン。」
アルマロスは、やや冷や汗をかきながら大丈夫だと身振り手振りをした。
ガーレを寺院に置いておき、アルマロスを休ませるため、シエスタの家に行った。
シエスタは、八人兄弟の長女だった。
シエスタの弟や妹達は、シエスタからの手紙でアルマロスのことを知っていたのでアルマロスのところに集まってきて興味津々にしてた。
シエスタの父母は、アルマロスを怪訝そうな顔で見たが、シエスタから説明を受け、いつまでも滞在していてくれていいと言ってくれた。
しばらく休んだアルマロスは、シエスタが言っていた草原を見てみたいと言い(筆談)、シエスタに案内されて草原に行った。
草原は広く、ところどころに花が咲いていて、シエスタの言う通り綺麗な草原だった。
吹き抜ける風も気持ちよく、アルマロスは、眩しそうに目を細めた。
「綺麗でしょう? これが見せたかったんです。」
「フォォン。」
「…私のひいおじいさんの話を、誰も信じなかったそうです。」
シエスタは語りだした。
黒い天使にガーレを託されたことを、シエスタの村の人々は信じなかったそうだ。
天使が黒いというのだって信じられない話だっただろうし、天使の存在が実在するのかどうかすら怪しかったのだ。
最初こそ村を襲うオーク鬼や狂暴な幻獣を一撃で倒すほどの威力を発揮していた神の矢も、すぐに使い物にならなくなり、寺院に奉じられるのだそうだ。
「でもアルマロスさんが触ると、光り輝きましたよね? 天使様からもらったっていうのは本当なのかなぁ?」
「……フォオン。」
今自分は堕天使なのでなんとも言えない。
「あのよかったら、あれ…、神の矢を持って行ってください。ひいおじいさんの遺言であれの光を取り戻せる者が現れたら、渡す様にって言われているんです。」
「フォォン?」
いいのかっとアルマロスは、聞いた。
「いいんです。今ではたまにお年寄りの方がお参りをするだけで、村では邪魔になってたんです。」
そうか、ならもらおうっとアルマロスは頷いた。
「ダーリーーーン!」
キュルケが走ってきた。
「学院からすぐ帰って来いってフクロウから伝書が届いたの。ルイズが大変ですって。」
「フォオン!」
「私達もサボりまくったから先生達カンカンよ。大変〜。」
こうしてアルマロス達の宝探しは終わった。
***
「アルマロスのバカ---!」
「フォーン!?」
帰って来るなり、そんな第一声が飛んできた。
「ほんとに、ほんとに行くことないじゃないの!」
いや…そう言われても…っと、
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