第十二話 封印されていた、魔
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ひんやりした温度のない手。けれどとても優しい手。
アルマロスの顔を見上げると、どこか憂いを帯びた、もの思いにふけるているような顔をしていた。
「なぁにぃ!? ダーリンってばルイズとできてたの!?」
「ち、ちがうわよ!」
「フォっ!?」
「ぎゃっ!」
キュルケが悲鳴じみた言葉をあげたため赤面したルイズは、咄嗟に、勢いでアルマロスを突き飛ばしていた。
突き飛ばした結果、ギーシュが巻き込まれ、二人は風竜から落ちてしまった。
ギーシュは、悲鳴を上げながらなんとか途中でレビテーションを唱えたが、魔法が使えないアルマロスは、空中で体制を整え、地面に着地した。結構な高さがあったため、足が地面にめり込む。
「あ、ああああ、アルマロスゥゥゥゥ!!」
「ダーーーリーーーン!」
「無事。」
ルイズとキュルケは顔を青くさせて叫んだ。誰もギーシュの心配はしなかった。
「フォオオン?」
「ああ、大丈夫だよ。君こそ大丈夫かね?」
自分は大丈夫だと、アルマロスは身振り手振りで伝えた。
「しかしあの高さから落ちて平気なんて、本当に君人間じゃないんだね?」
「フォオン。」
「その声といいね…。」
アルマロスは、自分が堕天使だと打ち明けるべきかと考えたがルイズがあまり言うなと言っていたので、言わないでおくことにした。
「ところで君。」
「フォ?」
「姫殿下は…、僕のことで何か言ってなかったかね?」
ギーシュが造花の杖をいじりながら聞いてきた。
アルマロスは、困った。アンリエッタとの会話に、ギーシュのギの字も出てこなかったただなんて…。
アルマロスは、それを表情に出してしまっていたため、ギーシュは目に見えて落ち込んだ。
「そうか…、僕は姫殿下のおめがに叶わなかったのか…。」
「フォオオン…。」
ギーシュの肩を、アルマロスはポンポンと叩いて励ました。
二人は仲良く魔法学院まで歩いた。
一陣の冷たい風が吹き。
アルマロスは、ふと顔を上げた。
だが気のせいだと思い、視線を前に戻した。
***
ニューカッスル城は、惨い、の一言に尽きる惨状となっていた。
傭兵達は、その城の跡地から、宝石や装飾品などをみつけるたびに大はしゃぎしていた。
傭兵はやがて、礼拝堂だったであろう場所を見つけ、またお宝がないか探りだした。
彼らの足元に、ドロリッとした土留め色の液体が広がった。
彼らはそれが血ではないことに気付いたが気にも留めなかった。
それはやがてボコボコと沸騰し、突如、傭兵達の足に絡みついた。
「ひっ!?」
悲鳴を上げた時にはすでに遅く、足に絡みついた液
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