第十一話 堕天使の怒り
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忘れたか! 君は始祖ブリミルに劣らぬ、優秀なメイジに成長するだろう! 君は自分で気づいていないだけだ、その才能を!」
「ワルド…!?」
「この旅で、君の気持ちを掴むために、随分と努力したんだが…。」
ワルドがルイズから手を離し、首を振った。
ルイズが視線をアルマロスに向けた。
アルマロスは駆けだしていた。
「僕の目的は、ひとつ、ルイズ、君だ。二つ、君が持っている手紙。そして、三つ目…。」
ウェールズがハッとして杖を出して詠唱しようとした。
だがそれよりも早く、魔法を完成させたワルドの青白く輝く杖が、ウェールズの胸を貫いた。
ルイズが悲鳴を上げた。
眼前だった。
アルマロスは、目を見開いた。
鮮血を散らし、倒れるウェールズ。
「フ……。」
アルマロスの唇が震えた。
「フォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!」
アルマロスの絶叫が礼拝堂に響き渡りビリビリと震わせた。
アルマロスは瞬時にベイルを装着すると、その先をワルドに振るった。
ワルドは、とんでもないスピードでそれを避け、ベイルは、ブリミルの像を破壊した。
崩れ落ちるブリミルの像、その中から湾曲した薄黒い刃のようなものが出てきたが、アルマロスは、それどころじゃなかった。
ベイルを振るい続け、ワルドに襲い掛かる。だがすべての攻撃を避けられてしまう。
「最初の手合わせの時は加減したが、本気で相手をさせてもらうぞ!」
魔法によって強化されたスピードでベイルを避けていく。
杖の切っ先がベイルを握るアルマロスの手に当たり、ベイルの片方が弾き飛ばされた。
「その武器は威力はあるが、鈍いな!」
「フォオオオオオオオン!!」
アルマロスはベイルを捨てて、素手でワルドに殴りかかった。
ワルドは、輝かせた杖でその拳を受け止め、瞬時に魔法を完成させて放った。
だがアルマロスに命中した魔法は、消えた。
「チッ、やはり魔法は効き目がないか。ならば!」
ワルドは、杖で応戦しながら術を唱えた。
「ユビキタス・デル・ウィンデ…。」
するとワルドの姿が本体と合わせて五人に増えた。
ギトーとは比べ物にならない力の現れるである。
「あの時、貴様に我が偏在を消された時は、正直焦ったよ。」
そう言ってワルドの分身の一人が、白い仮面を出した。
あの時現れた白い仮面の男はワルドだったのだ。いや、正確にはワルドの偏在、分身だったのだ。
魔法を無効化するアルマロスが触れた途端消えたのはそのせいだったのだ。
「だがすべての魔法を無効化できるわけであるまい!」
五人のワルドがそれぞれ杖で
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