第九話 アルビオン
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った。
頭と思われる男。ルイズの顎を触った派手な空賊が杖を弄って上座の椅子に座り、周りには、空賊達がいてニヤニヤ笑っている。
「おい、お前達、頭の前だ。挨拶しろ。」
ルイズは、従わずキッと睨んでいた。
「気の強い女は好きだぜ。子供でもな。さてと名乗りな。」
「大使としての扱いを要求するわ。」
ルイズは無視してそう言い放った。
「王党派と言ったな?」
「ええ、言ったわ。」
「なにしに行くんだ? あいつらは明日にでも消えちまうよ。」
「あんたらに言うことじゃないわ。」
「貴族派につく気はないかね? あいつらはメイジを欲しがっている。たんまり弾んでくれるだろうさ。」
「死んでもイヤ!」
アルマロスは、強気なルイズを見て、気付いた。
ルイズは、震えていた。怖いのだ、怖くても真っ直ぐにお頭の男を見ている。
「もう一度言う。貴族派につく気はないかね?」
「フォオオン。」
「うお、なんだおまえ、変な声出すなよ。」
「彼は私の使い魔よ。」
ルイズは、胸を張って言った。
「使い魔?」
「使い魔よ。」
ルイズの言葉に頭は笑った。大声で。
「トリスティンの貴族は、気ばかり強くってどうしようもないな。まあ、どこぞの国の恥知らずどもより何百倍もマシだがね。」
ワハハハっと笑った頭の豹変ぶりに、ルイズ達は顔を見合わせた。
「失礼した。貴族に名乗らせるなら、こちらから名乗らなくてはな。」
そう言って、頭は、黒髪を剥ぎ、眼帯を取り、髭をビリッと剥いだ。
現れたのは、凛々しい金髪の若者だった。
「私は、アルビオン王立空軍大将、本国艦隊司令官…、本国艦隊といっても、すでに本艦イーグル号しか存在しない無力な艦隊だがね。まあ、その肩書きよりもこちらのほうが通りがいいだろう。」
若者は、威風堂々と名乗った。
「アルビオン王国皇太子、ウェールズ・テューダーだ。」
なんと空賊のお頭だった男は、これから会いに行こうとしていたウェールズ皇太子、その人だった。
ウェールズは、にっこりと魅力的な笑みを浮かべ。
「アルビオン王国へようこそ。大使殿。さて、ご用の向きをうかがおうか。」
あまりのことにルイズ達は、すぐに反応できなかった。
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