第九話 アルビオン
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せられた。
ワルドとルイズは杖を取り上げられ、アルマロスは、デルフリンガーを取り上げられた。ベイルは光になって消えたため取られていない。
しかし多勢に無勢。しかも空の上。
ここでアルマロスが暴れてもルイズ達が危険にさらされるだけなので、動けなかった。
「メシだ。」
すると扉から空賊の男がスープの入った皿を持ってきた。
扉の近くにいたアルマロスが受け取ろうとすると、ヒョイッと持ち上げられた。
「質問に答えてからだ。」
「言ってごらんなさい。」
「お前達、アルビオンに何の用だ?」
「旅行よ。」
ルイズは、腰に手を当てて毅然とした声で言ってのけた。
「トリスティンの貴族が今時のアルビオンに旅行? いったいなにを見物にするつもりだい?」
「そんなことあんたなんかに言う必要ないわ。」
「強がるんじゃねぇぜ。」
空賊は笑い、皿と水を寄越した。
一つの皿からスープを三人で飲んだ。
飲み終わると、本当にやることが無くなる。
ワルドは、壁に背を預けて何かもの思いにふけている。
ルイズは、体操座りで顔を伏せていた。
アルマロスは、座り込んで、暇なので鼻歌を歌いだした。
「あんた…、歌もうまいのね…。」
「フォ?」
「…もっと歌ってて。」
ルイズに言われるまま、アルマロスは、鼻歌を歌い続けた。
「こんな状況で鼻歌たぁ、お気楽なこったな。」
すると扉が開いた。
「おめえら、もしかしてアルビオンの貴族派かい?」
ルイズ達は答えない。
「おいおい、だんまりじゃわかんねよ。」
空賊が言うには、空賊達は貴族派と商売しており、王党派に味方する者達を捕まえる密命を帯びているという。
「じゃあこの船は反乱軍の軍艦なのね?」
「いやいや、俺達は雇われてるわけじゃあねえ。あくまで対等な関係で協力し合っているのさ。で、どうなんだ? 貴族派だったならきちんと港まで送ってやるよ。」
「誰が薄汚いアルビオンの反乱軍なものですか!」
ルイズは言った、自分達は、王党派への使いだと、トリスティンの大使として来たのだと、空賊に向かって大使として扱うよう要求した。
アルマロスは、ポカンッとした。
状況的に不味くないかっと思った。
空賊は笑い、お頭に伝えに行った。
ああ、このままじゃ空から放り出されるかもっと思うと、ルイズだけでも無事に地上に降ろしてやらねばと考えを巡らせた。
もしもの時は……。
アルマロスは、ギュッと拳を握った。
すると空賊が戻ってきて言った。
お頭が呼んでいると。
***
狭い通路を通り、三人が連れていかれたのは、船長のいる立派な一室だ
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