第八話 疾風のワルド
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がそう言った。
すると、バサバサという大きな羽音が聞こえてきた。
崖の上にいる者達が慌てる声が聞こえた。
彼らは、攻撃対象を竜に向けたが、風が起こり彼らは崖から落ちて来た。
しこたま背中を打ち付けた彼らは、呻き動けなくなった。
「あれは…、風竜! タバサなの!?」
ルイズが叫んだ。
すると風竜から飛び降りて来る人間がいた。キュルケだった。
「おまたせ!」
「おまたせじゃないわよ! なにしに来たのよ!?」
「朝方窓から見たらあなた達が馬に乗って出かけようとしてたのを見たのよ。それで急いでタバサを叩き起こして後をつけてきたの。もうダーリンがいるからびっくりしちゃって居ても立っても居られなかったのぉ。」
「フォォン…。」
すり寄って来るキュルケに、アルマロスは、困った顔をした。
ルイズは慌ててグリフォンから降り、アルマロスを掴んでキュルケから引き離した。
「これはお忍びなの! あんた達はお呼びじゃないのよ!」
「それならそうと言いなさいよ。助けてあげたんだから感謝してよね。」
「誰が…。」
「あんたを助けたんじゃないわ。ダーリンを助けに来たの。それと…。」
キュルケはワルドを見た。
「おひげが素敵。あなた、情熱はご存知?」
「助けは嬉しいが、これ以上近寄らないでくれたまえ。」
「なんで? どうして?」
「婚約者が誤解するといけないからね。」
「なあに? あんたの婚約者だったの?」
つまらなさそうに言いながらキュルケがルイズを見た。
ルイズは、アルマロスの斜め後ろで恥かしそうにもじもじとしだした。
「あ、違うのよ。ダーリン。あたしってばついつい…。一番は、あなたよ?」
「フォォン…。」
そんなことを言われても信用ならない。キュルケの移り気は相当なものだというのをこの短期間で十分知ったつもりだ。
サリエルだったなら、あらゆる女性の一面を受け入れたうえで愛するのだろうが…。
ああ、今思えばサリエルってすごかったんだなぁ…っと、アルマロスはもの思いにふけていた。
それから襲って来た者達に尋問したギーシュが、彼らがただの物取りだと主張しているのを聞きだし、ワルドが捨て置こうと言って、一行はラ・ローシェルの街へ入った。
街に入ってみて、やっぱり船がないなぁ…っと、アルマロスは、街を見回して思った。
***
ラ・ローシェルの一番の宿を借り、一階の酒場でくつろぐ一行。
「アルビオンへの船は、明後日にならないと出ないそうだ。」
「急ぎの用なのに…。」
ルイズは、唇を尖らせた。
「ねえ、ダーリン。酔っちゃたわ〜。」
そう言ってアルマロスの腕にしなだれかかって
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