第八話 疾風のワルド
[2/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ギーシュが薔薇の杖を掲げた。
しかしそれよりも早く、羽帽子の男が杖を引き抜き薔薇の杖を吹き飛ばした。
「僕は敵じゃない。姫殿下より、君達に同行することを命じられてね。しかし、しかしお忍びの任務であるゆえ、一部隊をつけるわけにわいかぬ。そこで僕が指名されたわけだ。」
男は、羽帽子を外し、一礼した。
「女王陛下の魔法衛士隊、グリフォン隊隊長、ワルド子爵だ。」
ギーシュは、それを聞いて目を見開き、そして項垂れた。
魔法衛士は、全貴族の憧れであるからだ。ギーシュも例外ではない。
「すまない。婚約者がモグラに襲われているのを見て見ぬふりはできなくてね。」
「ワルド様…。」
アルマロスは、ワルドという男と、ルイズを交互に見た。
ああ、なるほどっと、ポンッと手を叩いた。
だからルイズは、彼に見惚れていたのか。婚約者だったのなら致し方ないっと思った。
「久しぶりだな、僕のルイズ。」
しかも僕のルイズときたものだ。ワルドは、ルイズを抱きかかえた。
「相変わらず軽いね、まるで羽のようだ。」
「…お恥ずかしいですわ。」
ルイズは、頬を染めた。
そんなルイズは、アルマロスは、ニコニコ笑って見ていた。
こんな素敵な男が婚約者にいたなんて、すごいじゃないかと純粋に思っているのだ。
それからルイズは、ワルドに促されて、アルマロスとギーシュを紹介した。
「使い魔が人とは思わなかったな。」
「えっと…あの…。」
「だがただの人間ではないね…。」
ワルドが目を細めた。
アルマロスは、普通の服を身に着けており、ウォッチャースーツは着ていない。しかし滲み出る人ならざるオーラは隠しきれていないのだ。
ルイズは、ドキリッとした。
堕天使だなんて言えない。だがいずれはバレる。今この場で言えばいいのかどうするか、ルイズは悩んだ。
アルマロスは、ルイズの手を取り、話してもいいよっと書いた。
「? 彼は喋れないのかい?」
「はい…。」
「フォォォオオン。」
「!」
「……こんな声しか出せないんです。」
「驚いた…。急に聞いたらびっくりするよ。」
「そうですよね…。」
だがルイズは、アルマロスが堕天使だとは言えなかった。
アルマロスは、そのことを気にかけたが、ルイズが言いたくないのなら仕方ないと思った。
「では、諸君。出撃だ!」
ワルドは、ルイズを抱えたままグリフォンに乗り、出発の合図をした。
アルマロスも、ギーシュも馬に乗り、グリフォンの後に続いた。
***
出発してみると……。
まあしんどいのなんのって…。
グリフォンに乗ったワルドが全然止まってくれな
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ