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アルマロスinゼロの使い魔
第八話  疾風のワルド
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 ギーシュが薔薇の杖を掲げた。
 しかしそれよりも早く、羽帽子の男が杖を引き抜き薔薇の杖を吹き飛ばした。
「僕は敵じゃない。姫殿下より、君達に同行することを命じられてね。しかし、しかしお忍びの任務であるゆえ、一部隊をつけるわけにわいかぬ。そこで僕が指名されたわけだ。」
 男は、羽帽子を外し、一礼した。
「女王陛下の魔法衛士隊、グリフォン隊隊長、ワルド子爵だ。」
 ギーシュは、それを聞いて目を見開き、そして項垂れた。
 魔法衛士は、全貴族の憧れであるからだ。ギーシュも例外ではない。
「すまない。婚約者がモグラに襲われているのを見て見ぬふりはできなくてね。」
「ワルド様…。」
 アルマロスは、ワルドという男と、ルイズを交互に見た。
 ああ、なるほどっと、ポンッと手を叩いた。
 だからルイズは、彼に見惚れていたのか。婚約者だったのなら致し方ないっと思った。
「久しぶりだな、僕のルイズ。」
 しかも僕のルイズときたものだ。ワルドは、ルイズを抱きかかえた。
「相変わらず軽いね、まるで羽のようだ。」
「…お恥ずかしいですわ。」
 ルイズは、頬を染めた。
 そんなルイズは、アルマロスは、ニコニコ笑って見ていた。
 こんな素敵な男が婚約者にいたなんて、すごいじゃないかと純粋に思っているのだ。
 それからルイズは、ワルドに促されて、アルマロスとギーシュを紹介した。
「使い魔が人とは思わなかったな。」
「えっと…あの…。」
「だがただの人間ではないね…。」
 ワルドが目を細めた。
 アルマロスは、普通の服を身に着けており、ウォッチャースーツは着ていない。しかし滲み出る人ならざるオーラは隠しきれていないのだ。
 ルイズは、ドキリッとした。
 堕天使だなんて言えない。だがいずれはバレる。今この場で言えばいいのかどうするか、ルイズは悩んだ。
 アルマロスは、ルイズの手を取り、話してもいいよっと書いた。
「? 彼は喋れないのかい?」
「はい…。」
「フォォォオオン。」
「!」
「……こんな声しか出せないんです。」
「驚いた…。急に聞いたらびっくりするよ。」
「そうですよね…。」
 だがルイズは、アルマロスが堕天使だとは言えなかった。
 アルマロスは、そのことを気にかけたが、ルイズが言いたくないのなら仕方ないと思った。
「では、諸君。出撃だ!」
 ワルドは、ルイズを抱えたままグリフォンに乗り、出発の合図をした。
 アルマロスも、ギーシュも馬に乗り、グリフォンの後に続いた。





***





 出発してみると……。
 まあしんどいのなんのって…。
 グリフォンに乗ったワルドが全然止まってくれな
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