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アルマロスinゼロの使い魔
第七話  風と水
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が一人ではできない。そのためにはアルマロスの力が絶対に必要だ。
 アルマロスは、両手をすくめ。
「フォォオオン。」
「アルマロス…、いいの?」
 ルイズが確認するとアルマロスは、頷いた。
「ありがとう、アルマロス!」
 ルイズは感極まって、アルマロスに抱き付いた。
「明日の朝にでも、ここを出発します。」
 アルマロスから離れたルイズが、アンリエッタに言った。
 アンリエッタは、アルマロスを見た。
「頼もしい使い魔さん…。わたくしの大切なお友達をこれからもよろしくお願いしますね。」
「フォォン。」
「…あの、そのお声は、どうしたのですか?」
「いえ、姫様…、アルマロスは、このような声しか出せないのです。」
「まあ、そうなのですか?」
 アンリエッタは、そう言って口元を押さえた。
 すると、アンリエッタは、左手を差し出した。
 アルマロスは、それを見て、すぐに察した。
 アンリエッタの前に跪き、その手に口付けた。
「貴様ー、姫殿下に何してるかー!」
 そこへ、扉から転がり込んできた人物がいた。
 ギーシュだった。
「ギーシュ!? まさかあんた立ち聞きしてたの!?」
 ルイズが慌てて聞くと、ギーシュはキリッと立ってポーズを決めた。
「薔薇のように目麗しい姫様のあとをつけてきてみれば…、こんなところへ…。それで鍵穴からまるで盗賊のように様子をうかがえば……。」
 ギーシュは、心底羨ましそうにまだ跪いているアルマロスを見た。
「フォオオン?」
「姫様のお手を…、お手を…。羨ましいじゃないか! ちくしょう、決闘だ!」
 半狂乱のギーシュが、薔薇の杖を振り回した。
 アルマロスは、立ち上がって、ギーシュを掴み床に抑え込んだ。
 それからルイズを見上げて、どうする?っと視線で問いかけた。
「今の話を聞かれたのは不味いわね…。」
「姫殿下! その困難な任務、是非ともこのギーシュ・ド・グラモンに仰せつけますよう。」
「グラモン? あのグラモン元帥の?」
「息子でございます、姫殿下。」
「あなたもわたくしの力になってくれるというの?」
「任務の一員に加えてくださるなら、これはもう、望外の幸せにございます。」
 ギーシュもこの危険な任務に加わることになった。
 アンリエッタは、ルイズの部屋の机を借り、手紙を書いた。
 そして最後の一行。決心したように何かを加えた。
 その手紙をルイズに渡し、さらに。
「母君から頂いた水のルビーです。せめてものお守りです。お金が心配なら売り払って旅の資金にあててください。」
 アンリエッタは、右手の薬指から指輪を引き抜き、それをルイズに渡した。


 危険な旅が始まろうとしてい
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