第七話 風と水
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「あなたは…?」
すると黒いずきんの少女が杖を振るって魔法を使った。
「ディティクトマジック?」
「どこに耳が、目が光っているか分かりませんからね。」
少女はそう言った後、ずきんを外した。
「お久しぶりです。ルイズ・フランソワーズ。」
「姫殿下!」
なんと、少女の正体は、昼にやってきた王女、アンリエッタ、その人だった。
「ああ、ルイズ! ルイズ、懐かしいルイズ!」
アンリエッタはルイズを抱きしめた。
「姫殿下、いけません! こんな下賤な場所へお越しになられては!」
「ああ、ルイズ、ルイズ・フランソワーズ! そんな堅苦しい行儀はやめてちょうだい! あなたとわたくしはお友達! お友達じゃないの!」
どうやら見知った間柄らしいなっと、アルマロスは思った。
それもお友達いうからには、幼いころから遊んでいた仲なのだろうと思った。
「あら? そちらの方は?」
「彼は…、その…私の使い魔です。」
「まあ、ルイズってば、昔からどこか変わっていたけど、相変わらずね。」
「ええ…、まあ…。」
言えない。アルマロスが堕天使だなんて言えない、っとルイズは、ダラダラと汗をかいた。
アルマロスは、汗をダラダラかいているルイズを見てハラハラしていた。やはり国の一番偉い人を前にしたら死にそうなほど緊張するのだろうと思った。
するとアンリエッタがため気を吐いた。
「どうされましたか、姫殿下?」
「いえ、なんでもないわ。ごめんなさいね……。いやだわ。自分が恥ずかしいわ。あなたに話せるようなことじゃないのに、わたくしってば…。」
「おっしゃってください。あんなに明るかった姫様が、そんなふうに溜息をつくとは、なにかとんでもないお悩みがおありなのでしょう?」
「いえ…、話せません。忘れて頂戴、ルイズ。」
「いけません! 昔はなんでも話し合ったじゃございませんか! わたしをお友達を呼んでくださったのは姫さまです! そのお友達に悩みを話せないのですか?」
「わたくしをお友達と呼んでくれるのね、ルイズ・フランソワーズ。とてもうれしいわ。」
アンリエッタは、嬉しそうに微笑み、そして決心したように頷いて語りだした。
「今から話すことは、誰にも話してはなりません。」
それを聞いたアルマロスは、退室しようと動いた。
「大丈夫ですわ、使い魔殿。メイジにとって、使い魔は一心同体、席を外す理由はありません。」
そう言ってアンリエッタは、アルマロスを引き留めた。
それからアンリエッタは、もの悲しい調子で語りだした。
彼女はもうすぐゲルマニアに嫁ぐこと。
それは、トリスティンとゲルマニアの同盟の為であること。
アルビオンという国で貴族たちが反乱を起こ
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