第七話 風と水
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、どうしたのですか、びしょ濡れですよ?」
「う、うるさい!」
コルベールに言われて、カッとなったギトーが煩わしそうにハンカチで必死に濡れた顔を拭きだした。
「授業中ですよ! 何の用ですか!」
「あわわわ! これは失礼しますぞ! オホンッ。今日の授業はすべて中止であります。」
いきなりの宣言にギトーだけじゃなく、生徒達も驚いた。
コルベールが言うには、アンリエッタ王女が来るから授業は中止だということらしい。
「フォォン?」
「アリンエッタ姫殿下は、このトリスティンで一番偉い人よ。分かる?」
ルイズに説明を求めたアルマロスは、うんうんと頷いた。
授業は中止となり、生徒達は正装するため解散となった。
***
「アンリエッタ姫殿下のおなーーーーーーりーーーーーーッ!」
やがてユニコーンに引かれた馬車が魔法学院の門に入ってきた。
まず馬車からマザリーニが出てきて、続いてアンリエッタが登場した。
すると大歓声があがった。
彼女はよっぽど人気があるのだろうなと、離れた位置から見ていたアルマロスは思った。
「ふん、なによ、私の方が美人だわ。ねえ、ダーリン。」
「フォ?」
「もう! ダーリンってば、聞いてたの?」
「アルマロスにそんなこと求めないでよ。」
「あら、ダーリンはあなたの使い魔でも、女を選ぶ権利はあるわよ?」
「だからアルマロスは、無性だから、そういうこと分かんないのよ。」
「性別があろうがなかろうが、関係ないわよ。ねえ、ダーリン。」
「…フォォオン。」
『相棒が困ってるぞ。』
デルフリンガーがアルマロスの気持ちを代弁した。
困っていたアルマロスだったが、ふとルイズが何かを一点に見つめているのに気づいた。
視線の先を見ると、羽帽子を被った凛々しい貴族がいた。アルマロスの目から見ても、かなりの腕利きであることが伺えた。
その人物をボーッと見ているルイズ。
しかも頬を微かに染めている。
まあ、あのような男を見れば普通の女性ならば見惚れるだろうとアルマロスは思った。それほどにいい男だったのだから。
そして、その夜。事件は起こる。
***
羽帽子の男を見てからのルイズは、ずっと上の空だった。
アルマロスは、そんなルイズを心配した。
声をかけても返事をしてくれない。
羽帽子の男に惚れ込んでしまったのだろうか?
しかしそれにしては…。っと思っていると、扉を叩く音がした。
初めに長く2回、それから短く3回。
ルイズがハッとして、大慌てで扉を開けた。
そこには、黒いずきんをまとった少女がいた。
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