第六話 舞踏会
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「まさかミス・ロングビルが、土くれのフーケじゃったとはのう。美人じゃったから、何の疑いもせず秘書に採用してしまった。」
それを聞いた、ルイズ達は呆れた。
オスマンは、コホンッと咳払いした。
「フーケは、城の衛士に引き渡した。そして、神の拳も無事に戻ってきた。一件落着じゃ。君達には、シュヴァリエの爵位申請を、宮廷に出しておいた。追って沙汰があるじゃろう。と言っても、ミス・タバサは、すでにシュヴァリエの爵位を持っているから精霊勲章の授与を申請しておいた。」
それを聞いて、キュルケは驚き、ルイズも目を見開いた。
「君達は、それだけのことをしたんじゃよ。」
「あの…、アルマロスには何もないんですか?」
「彼は、貴族ではない。さて、今夜は、フリッグの舞踏会じゃ、この通り、神の拳も戻ってきたし、予定通り執り行う。」
「そうでしたわ! すっかり忘れておりました!」
キュルケがパッと顔を輝かせた。
「今日の舞踏会の主役は君達じゃ。用意をしたまえ、せいぜい着飾るのじゃぞ。」
ルイズ、キュルケ、タバサは、一礼をするとドアへ向かった。
ルイズは、アルマロスをちらりと見た。
「お主は、気付いておったのか?」
オスマンがアルマロスに聞いた。
アルマロスは、机に指で字を書き。
確信はなかったと書いた。
「そうか…。お主も楽しむと良いじゃろう。一曲踊ってみてはどうかね?」
「フォ?」
まさかオスマンにも見られていたのかと、アルマロスは、オスマンを見た。
「それと神の拳じゃが…、あれはお主にやろう。」
「!」
「オールド・オスマン、どういうことですか!?」
「あれは、今までただの物体でしなかったか。じゃが今どうじゃ? あんな神々しく輝き、しまいに光の塊になってしまった。……あれは、お主が知る物じゃないのか?」
「……。」
アルマロスは、机に字を書いた。
あれは、神の叡智、ベイルという武器だと。
「神の叡智か…。お主の世界のか?」
「フォオン。」
「そうか…。ならばやはり、あれはお主の者じゃ。自由に使いなされ。」
オスマンの言葉に、アルマロスは、頭を下げた。
神の拳、あらため、ベイルは、光の塊となり、縮んで、アルマロスの懐に収まった。
アルマロスが、机に、『どこでコレを?』っと書いた。
「それは…、また今度話そう。」
オスマンは、そう言って話を切り上げた。
ルイズ達が出て行った後、オスマンは、椅子に深く座り直し。
「まさかアレを扱える者が現れるとはのう…。これも神の御導きなのか…。のう、黒い天使殿…。」
オスマンは、誰に聞くかせるでもなく、独り言をつぶやいた。
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