第五話 土くれ
[7/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
た。
アルマロスは、両腕を交差し、神の拳を撫でるように、両手を振るった。
すると凄まじい光が放たれ、鈍い黒い色だった神の拳が光が輝き、神々しい白に変わった。
「フォォオオオオオオオオン!」
アルマロスは、両腕を構え、ゴーレムの頭、肩、胸、腹と、神の拳で殴打した。
凄まじい打撃に、ゴーレムの体が砕け散っていき、ゴーレムはすべて崩れ去った。
「アルマロス!」
ルイズがアルマロスに駆け寄ろうとした。
だが近寄れなかった。
ルイズの背後に、ロングビルがいて、ルイズの首を掴んでいた。
「ミス・ロングビル!?」
「動くんじゃないよ。」
ナイフが突きつけられ、ルイズは固まった。
「まさか…、あなたが…。」
「そうだよ。あのゴーレムを操っていたのは、あたしさ。」
ロングビルは、笑みを浮かべて答えた。
「ルイズ!」
逃げていたキュルケ達が戻ってきた。
「全員杖を捨てな。そっちの使い魔は、その神の拳を、こっちによこしな。」
キュルケとタバサは、仕方なく杖を捨てた。
アルマロスは、神の拳とロングビル…いや、フーケを交互に見た。
「寄越しなって言ってるんだよ。迷うのかい?」
「アルマロス、だめ!」
「あんたは黙ってな。」
「ぐっ…。」
「フォォォン。」
アルマロスは、神の拳を手から離し、フーケの足元に投げた。
フーケは、ルイズの背中を乱暴に押してアルマロスの方に行かせ、足元に転がった神の拳を拾おうとしゃがんだ。
アルマロスは、ルイズを受け止めた。
するとフーケは、目を見開いた。
神の拳が、一瞬にして消え、光の塊になってしまったのである。
「なっ…。」
「フォォン!」
その隙に距離を詰めたアルマロスの拳が、フーケの腹部に決まり、フーケは、倒れた。
「アルマロス? これは…。」
『おでれーた。そんな仕掛けがあったなんてな。』
倒れたフーケを見おろし、アルマロスは、宙に浮いている、光に手を触れた。
すると、神の拳は、元の形に戻りアルマロスの手に収まった。
白く神々しい輝きに、夜目に慣れた目がチカチカした。
「これってこんな色だったかしら?」
キュルケが不思議そうに見て言った。
「違う色。」
タバサが言った。
『任務完了だろ?』
デルフリンガーが言った。
アルマロスは、ルイズの傍に来た。
そして、ルイズの頬を軽くたたいた。
「な、なに?」
『おめぇが無茶なことしたから、相棒怒ってんだよ。』
「……ごめんなさい。」
ルイズは、涙を浮かべ、謝罪した。
アルマロスは、ルイズの頭を撫でた。
土くれのフーケによる、盗難事件は、終わった
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ