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アルマロスinゼロの使い魔
第五話  土くれ
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た。
 アルマロスは、両腕を交差し、神の拳を撫でるように、両手を振るった。
 すると凄まじい光が放たれ、鈍い黒い色だった神の拳が光が輝き、神々しい白に変わった。
「フォォオオオオオオオオン!」
 アルマロスは、両腕を構え、ゴーレムの頭、肩、胸、腹と、神の拳で殴打した。
 凄まじい打撃に、ゴーレムの体が砕け散っていき、ゴーレムはすべて崩れ去った。
「アルマロス!」
 ルイズがアルマロスに駆け寄ろうとした。
 だが近寄れなかった。
 ルイズの背後に、ロングビルがいて、ルイズの首を掴んでいた。
「ミス・ロングビル!?」
「動くんじゃないよ。」
 ナイフが突きつけられ、ルイズは固まった。
「まさか…、あなたが…。」
「そうだよ。あのゴーレムを操っていたのは、あたしさ。」
 ロングビルは、笑みを浮かべて答えた。
「ルイズ!」
 逃げていたキュルケ達が戻ってきた。
「全員杖を捨てな。そっちの使い魔は、その神の拳を、こっちによこしな。」
 キュルケとタバサは、仕方なく杖を捨てた。
 アルマロスは、神の拳とロングビル…いや、フーケを交互に見た。
「寄越しなって言ってるんだよ。迷うのかい?」
「アルマロス、だめ!」
「あんたは黙ってな。」
「ぐっ…。」
「フォォォン。」
 アルマロスは、神の拳を手から離し、フーケの足元に投げた。
 フーケは、ルイズの背中を乱暴に押してアルマロスの方に行かせ、足元に転がった神の拳を拾おうとしゃがんだ。
 アルマロスは、ルイズを受け止めた。
 するとフーケは、目を見開いた。
 神の拳が、一瞬にして消え、光の塊になってしまったのである。
「なっ…。」
「フォォン!」
 その隙に距離を詰めたアルマロスの拳が、フーケの腹部に決まり、フーケは、倒れた。
「アルマロス? これは…。」
『おでれーた。そんな仕掛けがあったなんてな。』
 倒れたフーケを見おろし、アルマロスは、宙に浮いている、光に手を触れた。
 すると、神の拳は、元の形に戻りアルマロスの手に収まった。
 白く神々しい輝きに、夜目に慣れた目がチカチカした。
「これってこんな色だったかしら?」
 キュルケが不思議そうに見て言った。
「違う色。」
 タバサが言った。
『任務完了だろ?』
 デルフリンガーが言った。
 アルマロスは、ルイズの傍に来た。
 そして、ルイズの頬を軽くたたいた。
「な、なに?」
『おめぇが無茶なことしたから、相棒怒ってんだよ。』
「……ごめんなさい。」
 ルイズは、涙を浮かべ、謝罪した。
 アルマロスは、ルイズの頭を撫でた。

 土くれのフーケによる、盗難事件は、終わった
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