第五話 土くれ
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かけようとした時、崩れだした巨大なゴーレムの土が降ってきて、下にいたルイズが悲鳴を上げたのを聞いて、そちらに気をとられた。
その隙、ローブの人物は闇に姿をくらました。
その後、騒ぎを聞きつけた教師達により、宝物庫に。
『神の拳。確かに領収いたしました。土くれのフーケ』という字が、壁に書かれているのが発見された。
***
翌日。
目撃者であるルイズ達は、学院長室に呼び出された。
魔法学院は大騒ぎであった。
トリスティンを騒がせている盗賊が盗みに入ったのだ。騒がぬ方がおかしい。
夜の当直だったシュヴルーズがさぼっていたとか、大人達は責任のなすりつけ合いで大騒ぎである。
「君達は、あの夜、あの場にいたのかね?」
「はい。巨大なゴーレムが現れ、本塔の壁を破壊していきました。アルマロスが言うには、ゴーレムを操っていたと思われる人物が壁に張り付いていて、ゴーレムが破壊した穴に入って行ったのを見たと言っています。」
「そうか…。」
「しかしどうやって宝物庫の壁を…。」
教師の呟きを聞いて、ルイズは、ビクッと震えた。
するとアルマロスが挙手した。
「アルマロス…。」
怯えるルイズの頭に、アルマロスは手を置き、微笑んだ。
オスマンがアルマロスを見る。他の教師達もアルマロスを見た。
アルマロスは、机に指で字を書いた。
『自分が壁を壊したせいだ』と。
「貴様の責任じゃないか!」
「アルマロスは、ゴーレムを操っていたメイジを攻撃しようとしただけです!」
教師の非難の声に、ルイズがそう反論した。
「しかし拳であの壁を破壊するとはのう…。老朽化で脆くなっておったかもしれんわ。」
「だが余計なことをしなければ宝物庫への侵入は防げたはずだ!」
そうだそうだと周りの教師達が言った。
「まあ落ち着きなさい。アルマロス殿は、ゴーレムの操り手を発見し、速やかに無力化するために行動したんじゃ。相手がよっぽどの手練れでなければどんなメイジもたちどころに無力化させれておるじゃろうて。聞くが、フーケの立場となって己を考えて見よ、同じ目にあって青銅のゴーレムを一撃で破壊するほどの拳を避けられる自信はあるかね?」
オスマンの言葉に、教師達は、黙った。
冷静に考えてみれば、アルマロスの判断は間違っていない。
戦う上でゴーレムを扱うメイジは、メイジ自身を無力化させてしまうのがもっとも有効的だからだ。
しかもアルマロスは、青銅でできたゴーレムを一撃で破壊するほどの身体能力を持つのだ。そんな奴の拳を喰らったら、死ねる自信がある。
黙り込んでしまった教師達を見て、オスマンは大きく息を吐いた。
「当直の
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