第四話 喋る剣
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っているということを。」
キュルケは、目潤ませながら、剣を持ってサッササーと去っていった。
残されたルイズとアルマロスは、しばらく放心していた。
「…だ、大丈夫? アルマロス。」
「フォォン…。」
先に我に返ったルイズがアルマロスを見上げて聞くと、アルマロスはルイズを見おろして頷いた。
「キュルケの言ったことは忘れなさいね。いつもの手なの…。」
『モテる男は辛いねー。』
デルフリンガーが茶々入れてきたが、うけなかった。
『あ? なんだこの微妙な空気はよぉ。』
微妙にもなる。
だって、アルマロスは、無性だからだ。
「ねえ、アルマロス。念のため聞くけど、あなたの性別って……、無性なの?」
念のためルイズは確認した。
するとアルマロスは、頷いた。
分かったところで、これはこれで困ったものである。
キュルケは、完全にアルマロスを普通に男だと思っているようであるし、アルマロス自身、そういうことに興味がないようなのでただただキュルケからの情愛にどう対応したらいいか分からず困っているだけなのである。
「ああ、困ったわねぇ。」
よりにもよってキュルケに目を付けられてしまったことに、ルイズは頭を抱えた。
キュルケがちょっと断ったくらいで諦めるような質じゃないことは分かっている。分かっているから厄介なのだ。
「ねえ、アルマロス。嫌ならしっかり断るのよ。いいわね?」
「フォ…。」
「いい!? しっかり断りなさいよ! 何度来ても断りなさいよ!」
「フォーン!?」
ルイズが念を押して言って来たので、アルマロスは、わけが分からずオロオロとした。
デルフリンガーがひっそりと。
『モテる男は、辛いねー。』
っと呟いていた。
***
夕方、アルマロスは、広場でデルフリンガーを握って立っていた。
そして構えて、デルフリンガーを振るった。
しかし何度か振るったところで、首を傾げてやめてしまった。
『やっぱしっくりこねぇか?』
「フォォン。」
『おっかしいねぇ。使い手のはずなのによぉ。』
「フォオン?」
『あっ? 使い手が何かって? 使い手ってのはよぉ…、やべぇ忘れた。』
デルフリンガーの言葉に、アルマロスはずっこけた。
『まあとにかくどんな武器でも使えんだよ。そのはずなんだけどよぉ…。しっくりこないんだろ?」
「フォ…。」
『左手のルーンが光ってねぇしな…。どういうこった?』
言われてアルマロスは、自分の左手を見た。確かにルーンは光っていない。
『でもまあ、相棒はもともと武術の達人みたいだしよぉ、なんとかるとは思うけど、俺としては使いの手の印が使い物になら
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