第三話 堕天使とハルケゲニアの伝説
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マンとの対談の後、ルイズの部屋に戻ったルイズとアルマロス。
ルイズは、疲れたのでベッドで横になるなりあっという間に眠ってしまった。
アルマロスは、ギーシュと決闘したにも関わらず疲労感はなかった。
なのでとても暇だった。
暇つぶしにルイズの机にある本を読んだりしていたが、暇つぶしにならなかった。
アルマロスは、首を回したり、腕を伸ばしたりした。ギーシュと戦ったはいいが、ギーシュが自分より弱いと分かっていたとはいえ実に呆気なく戦いが終わったのがアルマロスにとって物足りなかった。
かつてもといた世界でイーノックよりも優れた格闘技の達人であったアルマロスは、わざと手加減したこともあり体が疼いていた。足りないのだ。もっと激しく動きたいとのだ。
アルマロスは、フッと自分の体を見おろした。自分が嫌っていたウォッチャースーツがぴっちり体を覆っている。
左手の甲と右胸に浮かぶルーンを除けば、ウォッチャースーツの機能はしっかりと働いている。
そしてアルマロスは、他の堕天使達と違う自分にだけあった特権を思い出し、それを実行してみることにした。
直感で指先で右胸のルーンをそろりと触る、そして念じてみる。
するとアルマロスの身を包んでいた肉体と一体となっていたウォッチャースーツが闇となって散って消え、代わりにかつてイーノックと対峙した時のダンス衣装になった。
アルマロスは、それはそれは嬉しそうに衣装の布地を触り、ふと寝息を立てているルイズのことを思いだし、部屋の窓を開けて窓から外へ飛び出した。
彼の左手の甲と、大胆に晒された上半身の右胸には、ウォッチャースーツの上から刻まれていたルーンがあった。
夕暮れの時間帯。
メイドのシエスタは、運んでいた洗濯籠を持ったままその光景に目を奪われていた。
そこは、広間でもないが通路でもない学院の敷地内にある開けた場所だった。
そこで水色のダンス衣装を纏った、銀髪と褐色の男が踊っていた。
シエスタは、彼の顔を見たことがある。
いつものように食堂で給仕をしたいた時だ。
体と一体化しているのではというほどフィットした奇妙な黒い鎧に、首の後ろの背中辺りから垂れている尻尾のようなものがあるが、それを除けば人間と変わりない姿をしていた。
給仕の仕事をこなしながら他のメイド達も、調理場の人間達もこぞってルイズの使い魔の男を珍しい物を見るように観察した。
そんな時、ギーシュがムチャクチャな理由をつけて彼に決闘の言葉を吐いた。
焦るルイズとは逆にギーシュに堂々とその決闘を受けて立つと言わんばかりに彼の前に立った使い魔の男の姿に、メイド達も調理場から覗いていたコック達も息を飲んだ。
圧倒的。
例えられる言
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