第三話 堕天使とハルケゲニアの伝説
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「フォォン?」
オスマンが和やかに笑ったことにアルマロスは、首を傾げた。
ルイズもオスマンの反応にハトが豆鉄砲をくらったような顔をした。
「堕天使というと、神に背いた悪というイメージがあるんじゃが、お主からはその身につけておる鎧には禍々しさがあるというのに、お主にはまったくそのような邪気が感じられん。なぜそんな純粋な目をしておるのか、それでいてグラモンの倅と決闘した時もグラモンの倅を傷つけはしなかった。背中に黒い羽もないし、堕天使じゃと言われても恐らく誰も信じないじゃろうな。」
「フゥゥオン?」
アルマロスは、『そうなのか?』っと言う風に声を漏らした。
「嘘をついておらんじゃろうな?」
「フォォン。」
オスマンがわざとらしく意地悪な口調で聞くと、アルマロスは、ブンブンと首を横に振った。
「ふむ、確かに嘘をついてはおらんようじゃな。お主の目がそう語っておる。本当に堕天使なのか疑ってしまうわい。そんな子供みたいな純粋な目をされとったらのう。」
オスマンにそう言われ、アルマロスは、意味が理解できないのか目をぱちくりさせていた。
「では、次の質問じゃ。アルマロス殿、お主は、いったいどこから来たんじゃ?」
その質問に、アルマロスは、どう説明したらいいか困り、机に字を書くのを止めた。
「神の世界…、あるいは魔界か。そのどちらかと考えるのが普通じゃが、お主はわしのイメージする堕天使とはかけ離れ過ぎておる。もしや、この世界の者ではないのか?」
ずばり言われアルマロスは、顔を上げてオスマンを見た。
アルマロスの反応を見て、オスマンは、やはりかと笑った。
「わしらの世界とは違う、異世界の堕天使ということならば、話の辻褄が合うわい。サモンサーヴァントと召喚された時のゴーレムのような姿も、今の人間のような姿も、ディテクト・マジックなどの魔法が無効化されたのも、堕天使とは思えぬ純粋なその眼も。」
「オールド・オスマン…、アルマロスは、どうなるのですか?」
ずっと口を噤んでいたルイズが口を開いた。
「堕天使が召喚されました、なんて王宮に通達しても信じてもらえんじゃろう。堕天使というのは、空想の中でしか描かれていない、いるのかいないのかもはっきりしとらん存在じゃ。実際にその目で実物を見たという話は、聞いたことがない。じゃが…。」
オスマンは最後に警告はした。
「あまり堕天使じゃということをふれて回らんようにすることじゃ。いくら異世界の堕天使で、堕天使とかけ離れた姿と心を持つとはいえアカデミーに噂が入ればどうなるか分かったもんじゃないからのう。」
「はい…!」
ルイズは、ビシッと姿勢を正して返事をした。
「それと、これは質問ではないんじゃが、アルマロス殿のルーンのことに
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