第三話 堕天使とハルケゲニアの伝説
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大泣きするルイズをどうやって泣き止ませようかとオロオロするアルマロス。
一方そのころ、ヴェストリの広場で起こったギーシュとアルマロスの決闘を、遠見の鏡で観察していた者達がいた。
「…か、勝ちましたね。それも圧倒的に。」
「うむ…。」
コルベールとこの学院の院長のオールド=オスマンである。
彼らは、学院長室で壁にかけられた大鏡使い遠見の鏡という魔法で広場を観戦していたのだ。
ルイズが召喚した正体不明の使い魔、アルマロスのことを調べるためにである。
「ミス・ヴァリエールが召喚したモノ…、崩れかけのゴーレムのようでいて、それではないナニかだったのは間違いありません。しかしミス・ヴァリエールがコントラクトサーヴァントを行った途端に今の人間と変わりない姿に変化したのです。」
「背中から垂れ下がっておる尻尾のようなもんはなんじゃろうな?」
「さあ? それは私には…。」
「あの体と一体化しているような黒い鎧もじゃが、あの者は人間ではない何者かであるのは間違いないじゃろう。」
「ディテクト・マジックで確かめようとしたのですが、なぜか呪文がかかる前に無効化されてしまうのです。ゴーレムのような姿だった時も、ミス・ヴァリエールに向かって倒れた時、私は咄嗟に攻撃魔法を使いましたが、これも当たる前に消え去りました。」
「魔法の無効…、じゃが使い魔の儀式は成功しておる。」
アルマロスの左手と右胸に使い魔のルーンがしっかりと刻まれている。しかも鎧の上からである。
「ルーンのことですが、珍しいルーンでしたので調べたところ、彼の左手に刻まれたルーンは、伝説の『ガンダールヴ』のものと一致しました。しかしもう一つの方は、まだ分かっていません。あくまで私の推測なのですが、右胸のルーンは、ブリミルの四人の使い魔の内、記されることのなかった四人目のものかもしれません。」
「伝説の四人の内、二人のルーンを一人に刻まれたということかね? 伝説が一度に二つもこの学院に降臨したというのか。」
オスマンは、椅子に深く座り込み大きく息を吸って吐いた。
「神の左手と呼ばれる、あらゆる武器を使いこなしたとされるガンダールヴに、名を記されることがなかった四人目の使い魔のルーン…、一つでも強大な力を秘めているというのにそれが二つ、一人に…。それほどあの者は特別なナニかということなんじゃろうか?」
オスマンは、髭をいじりながら遠見の鏡をチラッと見て、アルマロスを見た。
泣いてる少女一人を前にしてオロオロしてる様からは、まったくそんな特別な感じはしない。
ドットクラスのギーシュのワルキューレをとてつもない身体能力で、それも素手で全部破壊した時の戦いぶりは圧巻だったが、伊達に長生きしているオスマンは、そういう強者がいることを知っ
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