第二話 堕天使VS青銅
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、『逃げるわけがないだろう?』っと言おうとしてあの甲高い独特の声を発した。
「だめよ、アルマロス!」
ルイズが、アルマロスの左手を掴んで決闘を辞めさせようとした。
するとアルマロスは、優しくルイズの手を離させ、ルイズの頭に手を添えてルイズに目線を合わせて微笑んで見せた。まるで『大丈夫だ。問題ない。』と言っているかのように。
ルイズがアルマロスの微笑みに見惚れている隙に、アルマロスは、ギーシュと共に食堂から出ていった。
「アルマロス!」
ルイズは、慌ててアルマロスを追った。
***
「諸君! 決闘だ!」
ヴェストリの広場にギーシュの声が響き渡る。
それに呼応して野次馬達が声援を送った。
アルマロスは、腰に手を当てて、決闘の開始を待っている。
その表情に怯えの色は一切なく、ただ静かに戦いの時を待つ武人の貫録があった。
野次馬の壁に阻まれ、かろうじて隙間からアルマロスを見ることしかできないルイズは、両手を胸の前で握ってただ祈ることしかできなかった。
「さあ、始めるとしよう!」
ギーシュは、アルマロスの貫録に気付かず薔薇の杖を振ってワルキューレを錬金した。
人間と変わらない大きさの精巧な美しい形状のゴーレムが現れても、アルマロスは、動じることなく、視線だけをワルキューレに向けただけだった。
「僕はメイジだ。だから魔法を使うよ。文句はあるまいね?」
ギーシュが杖を振りかざしながら聞くと、アルマロスは、動かなかったため、ギーシュはそれを肯定と受け取った。
「言い忘れたな。僕の二つ名は、『青銅』。青銅のギーシュだ。従って青銅のゴーレム、ワルキューレがお相手するよ。かかれ!」
ギュースの掛け声と共に錬金された一体のワルキューレがアルマロスに拳を振るった。
拳が眼前に迫っても動かないアルマロス。ギーシュは、口元を緩め、勝利を確信した。アルマロスの人ならざる圧倒的な雰囲気は所詮こけおどしだったのだと愚かにも結論付けた。
ルイズは、固く目を閉じた。
しかし次の瞬間、ワルキューレが消えた。
アルマロスの長い片足が頭にくっつきそうなほど上へ振り上げられた状態になっている。どう見ても何かを蹴りあげたとしか見えない。
上に目を向けると、何か小さい物が上空にあり、それが徐々に落下してくる。
それがワルキューレだと分かった時には、ワルキューレは、地面に叩きつけられ、見るも無残な形にへしゃげてしまっていた。
ワルキューレが地面に叩きつけられた後、アルマロスは、振り上げていた足を地面に降ろした。
何が起こったのか一瞬分からず、ギーシュはおろか、周りの野次馬さえ固まった。
周りの静けさにルイズは、恐る
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