第二話 堕天使VS青銅
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感じ取った。
この香水の持ち主は、どうやらよっぽど誰かに大切に想われているのだろうとアルマロスは、心を和ませた。
だとすると無くして困っているはずだと考えて、周囲を見回すと、近くのテーブルでこちらをチラチラ見てきている金髪の少年と目が合った。
少年は、アルマロスと目が合うと慌てて背中を向けてきた。なぜか顔色が悪い。
アルマロスは、首を傾げていると、彼にそろそろと金色の巻髪の少女が近寄っていた。
「あの…、それ私が調合した香水ですわ…」
「あら、やっぱりモンモランシーのだったのね。」
「ええ、どうしてこの方が持っているのかしら?」
「拾ったのよ。」
ルイズがそうモンモランシーという少女に言うと、アルマロスが彼女に拾った香水の小瓶を手渡した。
モンモランシーは、教室であった件もあるのでアルマロスのことを若干怯えていたため、小瓶を受け取るとそそくさに離れていった。
そしてモンモランシーは、さっきアルマロスを見ていた金髪の少年のところへ行った。
「ギーシュ様、落とすなんて酷いですわ。」
「も、モンモランシー…。」
ギーシュと呼ばれたその少年は、モンモランシーに小瓶を差し出されてますます顔色を悪くし汗までかきはじめた。
「おお! ギーシュ、おまえモンモランシーと付き合ってたのか!」
「その香水は、モンモランシーが自分のためだけに調合している香水だぜ!」
「ギーシュ様…。」
ギーシュの友人達が囃し立てていると、怒りで低くなった別の少女の声がその騒ぎを一瞬で鎮めてしまった。
栗色の髪の少女がつかつかとギュースの近くに来る。
「け、ケティ! 誤解だ! いいかい、僕の心の中には…」
「言い訳など結構です! やはりミス・モンモランシーと付き合われておられたのですね! さようなら!」
ケティと呼ばれた少女は、ギーシュの弁解を最後まで言わさず思いっきり彼の頬に平手打ちをして走って去って行った。
彼女が去った後、彼女の背を見ていたモンモランシーがギギギッっという音がしそうなほどゆっくりとギーシュに顔を向けた。その表情は、怒りに染まっている。
「モンモランシー…、誤解なんだ…、彼女とはただ一緒にラ・ロシェールの森まで遠乗りをしただけで…。」
「やっぱり、あの一年に手を出していたのね?」
「お願いだよ、『香水』のモンモランシー。咲き誇る薔薇のような顔をそのような怒りで歪めないでくれよ。僕まで悲しくなるじゃないか!」
必死に許しを請うギーシュだったが、次の瞬間、モンモランシーがワインが入った瓶を掴み、その中身を彼の頭にドボドボとかけた。
「嘘つき!」
モンモランシーは、怒りと悲しみで顔を歪め去って行った。
残されたのは、静寂。
ギーシュ
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