第二話 堕天使VS青銅
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んなさい…。明日は、もっとちゃんとしたの頼んでおくから、我慢してくれる…?」
ルイズが、上目づかいで謝罪すると、アルマロスは、そんなことないと身振り手振りで意思を伝えた。
見比べたのは、別に不満があったわけではない、単に食事というものに対する好奇心からだった。
ここでは関係ない余談だが、アルマロスの仲間だった堕天使のサリエルの主食はキャベツだったりする。しかもキャベツしか食べないのである。
ルイズは、アルマロスが不満を持ってないというのを理解しても、己の心の中が申し訳ないという気持ちでいっぱいだった。
しかしいつまでもウジウジしているわけにはいかないので、ルイズは、食事の前のお祈りを始めた。
それを見たアルマロスは、驚いた顔をした。堕天使てから数百年も経っており、接してきた人間達は自分達堕天使を崇拝する者達ばかりだったので、神に祈る姿や言葉は、本当に久しぶりに見た光景であったからだ。
祈りを終えたルイズがこっちを見ているアルマロスに気付き、慌てる素振りを見せたのでアルマロスは、慌てて何でもないと手を振った。
そしてやっとルイズは、料理を食べ始めた。
食べながらちらりと、アルマロスを見ると、アルマロスは、ゆっくりと味わうように質素なパンと具だくさんのスープを食べていた。
だが食べながら、隣のテーブルにいる生徒が食事を大量に残して退室していったのを目撃し、顔をしかめていた。
ルイズは、学院の生徒が平気で食べ物を粗末にする様を見て人間に失望したかもしれないと思い、気が気じゃなくなっていた。
「食べ物を残すのって悪いことよね…」
食事を得られることに感謝する祈りを捧げておきながら、平気で食べ物を残して酷いときは一口も食べずに捨てることさえある。
これは完全に祈りに反することじゃないか。ルイズは、今更そのことに気付き顔を青ざめさせた。
ふと見るとアルマロスがルイズに顔を向けていた。さっきのルイズの呟きを聞いたからだ。
「アルマロス…、失望した?」
ルイズは、泣きそうな顔をして聞いた。
アルマロスは、ルイズが今にも泣きそうになっているのに驚いてオロオロと困った動きをした。
その時、アルマロスは、床に転がる、小さな小瓶を見つけた。
中には、紫色の液体が入っており、小瓶の蓋のあたりから良い香りがする。
「あ、それ、香水? その色は、モンモランシーのかしら?」
ルイズがアルマロスが拾ったものを見てそう言った。
アルマロスは、それを聞いて、ふむっと顎に手を当てて何か考えているような体制をとった。
アルマロスが拾ったこの香水からは、強い人間の想いが込められている。野蛮で暴力的な想いじゃなく、異性に向ける初々しい愛情を、アルマロスは、この香水から
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