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アルマロスinゼロの使い魔
第一話  人間を愛する堕天使
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ロヨロと立ち上がったシュヴルーズが、アルマロスに言った。
 言われてアルマロスは、自分がやり過ぎてしまったことに気づいたらしく、慌ててルイズのところに行くと、ルイズのノートに『ごめんなさい』と謝罪の言葉を書いた。
「次から、気を付けてね…。」
「フゥオン。」
 ルイズが疲れた声で言うと、アルマロスは、悲しげに眉を寄せて短い声を出して返事をして、頷いた。
「えっ? それ地声?」
 アルマロスの声を聞いた近場にいた生徒が驚いて言った。
 あの独特の甲高い声が、この謎の男の声だなんて到底考えられなかったのだ。
 アルマロスが発する声が普通じゃないと知れ、生徒達がまたざわついた。
 アルマロスが人間じゃない何かであるということは、まず間違いないことを彼らは認識した。
「オホンッ…。では、授業を再開しましょう。」
 アルマロスの大声によるダメージで生徒も教師もヘロヘロだが、授業が再開された。
 授業は、まず基礎となる四つの系統に始まり、シュヴルーズの二つ名『赤土』から、彼女の授業は土の系統魔法の講義になった。
 授業を聞いていたアルマロスは、この世界の魔法が人々の生活に欠かせないものだと理解し、これはマズイのではないか?っと片手で口を覆って、他所に顔を背けた。
 アルマロスがなぜそんな反応を示したのか、その理由は後ほど本人がルイズに説明する。

「では、ミス・ヴァリエール。この石を望む金属に変えてみてください。」

 シュヴルーズがルイズを指名した途端、教室内の空気が凍った。そしてルイズにやめるよう生徒達が怯えた声で言っている。
 意識を授業から逸らしていたアルマロスは、その空気を感じ取って、首を傾げた。
 見れば、ルイズが教卓の方へ進み出て、教卓の上の石に向かって杖を突き出し何か呪文を唱えた。
 その瞬間、大爆発が起こった。

「だから言ったのよ! あいつにやらせるなって!」
「いつだって成功確率、ほとんどゼロじゃないか!」

 アルマロスは、煙が立ち込める教室に響く生徒達の声を聞いて納得した。
 なるほど、だからルイズは、ゼロと呼ばれているのかと。
 しかしアルマロスが知る限り、魔法で意図せず爆発を起こすのは、呪文を間違えたか、魔力の暴走などが原因だったはず。
 魔法の暴走による爆発と、ルイズが起こした爆発は、性質が違う。
 なぜアルマロスがそう考えたのか。それは。

 アルマロスと、その周囲1メートルぐらいの範囲だけ、爆風を一切受けておらず、綺麗だったからだ。

 アルマロスは、天使であった頃、『魔法使いの魔法を無力化する方法を教える』という役目を持っていた。
 そのためいかなる魔法も無力にする体質で、その体質から魔法の無力化方法をあみ
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