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アルマロスinゼロの使い魔
第一話  人間を愛する堕天使
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あの場にいたルイズの同級生達も目撃している。なので興味が湧かないはずがない。
 ルイズが引っ張ってきたアルマロスの姿を見た生徒達は、言葉を失う。
 あの恐ろしく、痛々しい姿をしていた黒いゴーレムのようなものが、今は、奇妙な鎧をまとった人間の男の姿に変わっている。
 足まである癖のある長いアシッドグレイの髪の毛に、キュルケよりも濃い褐色の肌、海の青さを連想させる鮮やかな青い眼、それらを際立たせる整った顔立ちと、長身と、一見細身に見えるが鍛えこまれた肢体。
 儀式が行われた場所では遠目にしか見てなかったが、近くで見るとその美しさに驚く生徒達。
 ルイズは、この空気をなんとかしようとして、アルマロスの方に向き直る。
「使い魔は、教室の後ろ。あそこ、他の使い魔達がいるでしょ? あそこで授業が終わるまで待ってて、いいわね?」
 ルイズのその言葉を聞いて、アルマロスは、素直に頷いて、ルイズが指さした教室の後ろの方へ歩いて移動した。
 すると教室にいた生徒達がざわつきはじめた。
 あの奇妙だが美しい男を、ゼロと蔑んできたルイズが従えさせている。
 あの男は実は大したことのないただの人間なのでは?という疑惑を持つ者と。
 実はルイズがすごい実力の持ち主だったのでは?っという疑問を持つ者に別れた。
 別れたと言ってもほぼ9割ぐらいの生徒が普段からルイズをゼロと蔑んでいるので、アルマロスのことを大したことのない存在だと考えた。
 ルイズは、席に座ると、今すぐにでも机に頭を打ち付けそうになるほど疲れを感じた。
 だがここでそんなことをすれば、アルマロスが堕天使だとばれるきっかけになるかもしれないから気力で踏ん張った。
 ちらりと後ろを見れば、アルマロスが他の使い魔達と並んで立っている。離れて見ても美しい。あんなに純粋オーラをまき散らしているのに、なぜ堕天使なんだと言いたいぐらいだ。
 やがて女教師シュヴルーズが教室に入ってきたため、ざわついていた生徒達が慌てて席についた。
「皆さん。春の使い魔召喚は、大成功のようですわね。このシュヴルーズ、こうやって春の新学期に、様々な使い魔達を見るのが楽しみなのですよ。」
 中年といえる年齢の彼女は、笑顔でそう言った。
 そして様々な珍獣たちの中に、ひとりだけ異色の存在がいるのが目に入り。
「おやおや、変わった使い魔を召喚したものですね。」
 変わった使い魔と言われてルイズは、ギクッと大げさなほど肩を跳ねさせた。
「ゼロのルイズ! 使い魔を召喚できなかったからってその辺の平民を着飾って雇ったのかよー!」
 ルイズの大げさな反応を見た生徒の一人がそんな野次を飛ばした。
 それがきっかけで、他の生徒達もルイズを貶す言葉をルイズに浴びせはじめた。
 シ
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