第一話 人間を愛する堕天使
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を見ないように部屋を出ていったので、ルイズは、しまったと思い重いため息を吐いて、着替えをした。
一方、部屋を出て後ろ手で扉を静かに閉めたアルマロスは、二つの気配を感じ、そちらを見た。
数メートル先にいたのは、鮮やかな赤毛と褐色の肌の少女であった。
少女というには、かなり発育が進み過ぎているようで今にも制服がはち切れそうな巨乳だった。小柄でほっそりとしたルイズとはまるで対照的だという印象を持った。
もうひとつの気配は、赤毛のその少女の足元にいる、かなり大きな火トカゲ……、サラマンダーだ。彼女の使い魔だろう。
「あら、あなたは…、確か、あの黒いゴーレムが変化した人ね?」
黒いゴーレムとは、恐らくネザー化したあの姿のことを言っているのだろうとアルマロスは、すぐに理解した。
赤毛の少女は、ジロジロとアルマロスを上から下まで見る。
「人間じゃ……、ないわね。」
僅かに警戒の色を帯びた少女の表情と言葉を聞き、アルマロスは、頷いた。
「不思議ね。あなたが着ているその鎧、悪い気配を感じるのに、それを身につけてるあなたは、すごく澄んだ目をしてる。ルイズは…、あの子、いったい何を呼んじゃったのかしら?」
赤毛の少女の言葉を聞いて、アルマロスは、自分の掌に字を書いて自分のことを伝えようとした時、ルイズの部屋の扉が開いた。
「ちょ、ちょっと、キュルケ! 何やってるのよ!」
ルイズは、赤毛の少女の存在に気付くなり、慌ててアルマロスの腕を掴んで引っ張り、彼女から距離を取った。
「ねー、ルイズ。この人いったい何者なの? 人間じゃないのは分かるんだけど。」
「そ、それは……、あんたに説明する義務はないわよ!」
彼が堕天使だと知れたらまずいのでルイズは、必死だ。
「ケチねー。あんまりカリカリしてると、発展途上の胸がますます育たないわよ?」
「黙りなさい! それとこれとは別でしょ!」
ルイズをからかうキュルケと呼ばれた赤毛の少女と、敵意をむき出しギャーギャー言うルイズ。
アルマロスが、二人の言い合いが終わるまで待ってると、足に温かいものが当たった。
見ると、キュルケのサラマンダーがアルマロスにすり寄ってきていた。
キュルキュルと甘えるような鳴き声をあげ、何か期待するようにアルマロスを見上げるサラマンダー。
アルマロスは、微笑み、かがんでサラマンダーの頭を撫でた。撫でられたサラマンダーは、気持ちよさそうに目を細めて鳴いた。
「あら、フレイムったら、その人のこと気に入っちゃったの?」
「ウソっ!? サラマンダーが懐くって……、なにやったの!?」
詰め寄ってきたルイズに、アルマロスは、何もしてないと手を振って意思表示をした。
正直なところ、アルマロスは
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