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アルマロスinゼロの使い魔
第一話  人間を愛する堕天使
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スは、あの草原で目を覚ました時から、すでに気付いていた。
 この世界が、自分がいた世界とは全く違う理からなる世界であることを。
 つまり自分は、異物だ。
 自分の創造主である神も、堕天してから生命維持のために契約を結んだ冥王ベリアルもいない世界なのでアルマロスという存在を保つことはできない。
 なのに自分は、今こうしてここにいる。物に触ることも、ルイズと意思の疎通(筆談)をすることもできる。
 ネザー化した体は、人の形に戻り、苦手なウォッチャースーツも傷一つない。
 アルマロスは、右胸と左手の甲にあるルーンに指で触れた。
 ルイズ達の言葉を聞く限りでは、これは召喚した使い魔に刻まれる印であるらしい。
 この二つの小さな印が異世界のの堕天使である自分の存在をこの世界に固定化させているのだろうか?
 アザゼルなら分かるかもしれないが、残念ながら彼はいないし、他の堕天使もいない。
 もちろん、大天使長ルシフェルや他のアークエンジェルもいない。
 アルマロスの身に起こった現象を解明できる者はいない。アルマロスは、困ったと肩を落とした。
 数分後、過ぎたことは仕方ない、悩んでても仕方ないと気を取り直したアルマロスは、ルイズが寝ているベッドを背もたれにして、床に座り、体操座りの体制で目を閉じた。





***





 翌朝。
 ルイズは、布団の中でモゾモゾと動いて、微かなうめき声を漏らした。
「…うー、あれ? なんで制服のまま寝ちゃってるのかしら?」
 目をこすり、起き上がろうと足を動かした途端、何かを蹴ってしまい、『フォっ!』っという独特な高い声が聞こえた。
 驚いて上体を起こすと、金色の髪止めをつけたアシッドグレイの頭を摩る褐色の肌の男がいた。
「誰っ!? …って、あ……。」
 ルイズは、焦ったがすぐに思い出した。
 ベットに背を預けていたため、ベットの端に寄っていたルイズに頭を蹴られてしまった男は、昨日の使い魔召喚儀式で召喚した堕天使アルマロスだ。
 自分が召喚したのに起き抜けにいきなり誰呼ばわりするなんて、とんでもない馬鹿だと、ルイズはベットにふさぎ込んで枕に顔を押し付けた。
「フゥゥォオン?」
 アルマロスが立ち上がり、ルイズを心配して声をかけた。だが言葉が喋れないため独特の甲高い声しか出ない。
「本当にごめんなさい…。」
 枕に顔を押し付けたままルイズは、消えそうな声で謝った。
 アルマロスは、なぜ謝られたのか分からず首を傾げた。
 アルマロスは、ルイズが学業の身であることを理解しているので、このまま寝かせておいてはいけないと思い、ルイズの肩に触れて優しく揺さぶった。
「う〜………。ハッ! 大変、遅刻しちゃう!」
 
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