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アルマロスinゼロの使い魔
第一話  人間を愛する堕天使
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ったけれど、神の意思に背き、人間と共に生きたいと願って堕天した。』

 文字を読んだルイズは、目を見開いて、ノートの字とアルマロスを交互に見た。
 堕天使。ルイズが住むこの世界でも良い意味をもたないその言葉。
 一目見た限りでは、人間に見えるが、元が天使で、しかも堕天使となれば浮世離れした雰囲気を持つ理由に合点がいく。
 しかし、アルマロスは、ルイズが書物で読んだり、イメージする堕天使とはまるで別物だった。
 黒い翼があるわけでもなく、神に背いた邪悪な精神を持っているようにも見えない。
 海の青さと同じ瞳は、どこまでも澄み切っており、子供のような無垢な純粋ささえ感じ取れるような気がするほどだ。
「堕天使って…、嘘でしょ?」
 ルイズは、口の端をひくつかせながら、アルマロスがまったく堕天使に見えないことを言葉に込めて言った。
 だがアルマロスは、首を横に振った。
 そしてノートにスラスラと筆を走らせ、書いた文章をルイズに見せた。
 『背中の尾のようなものがあるでしょ? これは、天使の翼の残骸なんだよ。ボクは、堕天した時に負った傷で声を無くした。』
 アルマロスの背中にある不自然な尻尾のようなものが、天使の翼があったことの名残で、堕天した代償に言葉を喋ることができなくなったことをアルマロスは、文字で語った。
「そこまでして堕天するって。どうして? そんなに気に入らないことが…、っ。」
 言いかけてルイズは、ハッとした。
 最初に文字で語られた内容に、人間と共に生きたいと願って堕天したという理由が記されていたことを思い出したからだ。
 天使が神に背いてまで、人間と生きていきたいから神を裏切るなんてことがあるのか?
 天使のような高貴で人間などとは比べ物にならない強い存在が、脆弱な人間と生きたいと思う理由は?
 『人間は、素晴らしい種族だよ。天使にはない、無限の可能性を秘めていた。ボクらは、人間に憧れた。人間の肉体を手に入れるために堕天し、大きな傷を負ったり、老化したりもした。けれど人間と同じ存在になれるなら、そんなことは些細なことだったんだ。』
 迷うことなくスラスラと字を書いて、ルイズに自分の意思や堕天した理由などを伝えるアルマロスの表情は明るい。本当に堕天使に見えない。
 ルイズは、頭が追いつけなくなってきていた。
 ひたむきに弱い人間が持っていて天使にはなかった無限の可能性というもののために、不便な人間の肉体を得て、しかも代償に癒えることのない大怪我をしたり、急激に老化したりするなんて、正気の沙汰じゃないとルイズは、思った。
 天使がそこまで魅了されるほどの魅力が、人間なんかにあるのか?
 ルイズの頭に沢山の疑問が浮かんでくる。
 ルイズは、貴族だ。それも王家と
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