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アルマロスinゼロの使い魔
第一話  人間を愛する堕天使
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 ルイズがアルマロスを召喚し、契約を終えたことで、恐らく学院史上一番長かった進級試験が終わりを告げた。
 ルイズの同級生達は、ルイズをからかいながら空を飛んで学院に戻って行った。
 悔しがるルイズと、ルイズの同級生達が魔法を使って飛行していった光景を見て目をぱちくりさせるアルマロス。
 そして何か言いたげにルイズの方を見た。
「何よ…。飛ばないのかって言いたいわけ?」
 アルマロスが言葉が喋れないだけに目線と雰囲気でそう伝えてくるのが分かって、ルイズは、言葉で言われるよりも辛く感じた。
「きょ、今日は、あんたを召喚するのに疲れたの。だからもう魔法は使えないから歩くわよ、いいわね?」
 苦しい言い訳をしたが、アルマロスは、素直に頷いた。彼にとってルイズが他の生徒のように飛んでいかないことについてはそこまで気にすることじゃなかったらしい。
 身長差があるぶん、歩幅も違うのだが、アルマロスは、ルイズの歩調に合わせて歩いた。
 意外と紳士なのね?っとルイズは、思った。
 そしてルイズはアルマロスを連れて、学院の寮にある自分の部屋に戻ってきた。
 部屋に入って扉の鍵をかけたルイズは、あらためてアルマロスをじっくり見た。
 見たこともない禍々しい気を感じさせる奇妙な黒い鎧。指先まで覆い、鎧の隙間から見える青い色は、肌着だろうか?
 首の後ろの背中から延びている尻尾のようなものはなんなのか?
 鎧はまるでアルマロスの体と同化しているかのようにピッタリなのだが、それでも彼の体系はよく分かる。
 手足は長くしなやかで、腰も綺麗にくびれている。鎧を着ているのに無駄がない見事に鍛えられた肉体であることは、まだ十代と年若いルイズでも分かるほどだ。
 そして普通に立っている立ち姿もまた、アルマロスが素人でないことを物語っている。
 名家の令嬢として生まれたルイズは、何人もの腕の立つ武人を見てきたし、達人と呼ばれるほどの人物を目にしたことだってある。
 アルマロスは、一見若いが、人生を武に捧げてきた達人が持つ美しい姿勢をしていた。
 召喚した時に見た、あの黒い巨体に埋め込まれるような形になっていた姿もだが、ルイズは、ますますアルマロスが何者なのか分からなくなった。
 ルイズは、唾を飲み込み、表情を引き締めてアルマロスに直接聞くことにした。
 勉強机に置いてあったノートと筆を渡し。
「ねえ、アルマロス。あなたは、いったい何者なの?」
 言葉を喋ることができないらしいアルマロスに筆談で彼自身のことを聞いた。
 アルマロスは、少し困った顔をして、それでいて切ない小さな笑みを浮かべてノートに字を書き始めた。
 そして書き終えるとノートをルイズに見せた。

 『ボクは、かつて神に仕える天使だ
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