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アルマロスinゼロの使い魔
プロローグ
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の前の前に見えているこの人間の男性…と思われる部分が、この巨大な物体の本体なのだろうか?
 正体不明のこの物体と使い魔の契約を結ばなければならないのか。
 ルイズは、落ち着いてきたため、冷静に状況を理解しつつあった。
 そもそも…、彼は…、生きているのだろうか?
 ルイズが見る限りでは、黒い巨体に埋め込まれている彼は、呼吸をしているように見えない。。
 動ける範囲で首を動かして見ると、彼が埋め込まれているこの黒い巨大な物体も傷ついている。傷口から見える鮮やかな青さは、とてもゴーレムのものとは思えなかった。
 その時、ルイズの耳に微かなうめき声が聞こえた。驚いて生気のない男の方に向けると、さっきまでピクリとも動く気配がなかった彼が、苦しそうに顔を歪めか細いうめき声を漏らしていた。
 生きている。彼は、死んでいない。
 ルイズは、そのことになぜか酷く安堵した。
『フォゥゥ……オォォォ……。』
 聞いたことがない高い音がにぶい灰色の唇から発せられている。
 彼は、苦しんでいる。
 そして、彼の苦しみに反応したかのように彼が埋め込まれていた黒い巨体がブスブスと煙を出しながら崩れ始めた。
 ああ、このままでは、いけない!
 ルイズは、彼が死に向かって…、いや死よりももっと辛い方へ向かっていることを本能的に理解した。
 助けなければ!
 ルイズの頭に、儀式を成功させるという考えは消え失せていた。ただ、彼を助けたい。それだけを考えた。
 だがどうやって助ければいいかまではまったく考えられなかったが体が咄嗟に動いていた。
 ルイズは、彼の顔に手を伸ばした。
 触れた彼の頬は、氷のように冷たく、温かさがまるでなかった。
 そんなことなど些細なことだと気にせず、ルイズは、彼の口に自らの唇を重ねた。
 その時、とてつもない白い光が黒い巨体を包み込んだ。


 ルイズに向かって倒れた黒い巨体が煙を出しながら崩れ始め、それからすぐに儀式の場所を眩しく照らす強い光が黒い巨体を包み込んだ。
 あまりの眩しさに同級生達もコルベールも腕で光を遮り、目を閉じざるおえなかった。
 ややあって光が治まっていき、巨体に潰されたかと思われたルイズが無事だったことが分かった。
 コルベールが慌てて彼女に駆け寄ると、ルイズが呆然と見つめる先にある、徐々に小さきなっていく光をコルベールは目で追った。
 光はやがて球体となり、その中に、ひとりの長い髪の毛の男が胎児のように体を丸めていた。
 光がゆっくりと地面に降りると、光は、消え、男は、ゆっくりと地面に横たわった。
 男の体は、人間と変わらない造形であったが、違う部分は、首の後ろの背中辺りに、尻尾のような黒くて長いものがあることだけだ。
 
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