騎士のリベンジェンス
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げ場が無い以上、窮鼠猫を?む勢いで私も覚悟を決めて、次元世界を変革させるまで走り抜けてやる。例え志半ばで燃え尽きるとしても、世界の傀儡にされるよりはマシだ!
「(ん、少しシャロンの雰囲気が変わった)」
「そこで見ていて、ケイオス。これから先、私は目的を果たすまで止まらないから。そうだ……もう止まれない、止まっちゃいけない……!」
厳かにそう伝えた私はなぜかボードをベースギターにしているウェンディからマイクを受けとり、展開したキーボードに手を置くクアットロがニヤリと見てくる中、どこから取り出したのかわからないスネアドラム越しに見守ってくるトーレの視線を感じながらステージに上がり、肺の限界量まで思いっきり息を吸って……、
「全員清聴せよッ!!」
「「「「「「「ッッ!!!!???」」」」」」」
「私はシャロン・クレケンスルーナ! 第66管理世界ニダヴェリール唯一の生存者にして、月詠幻歌の歌姫だ!」
「と、突然なんだ? 歌姫……って、ちょっと待った!?」
「月詠幻歌って、まさか彼女が例の?」
「知っての通り、4年前に私は歌でファーヴニルを封印した。私の故郷、ニダヴェリールを滅ぼした静寂の獣を、この世界の大地に眠らせた。知っての通り、ニダヴェリールはかつて魔導結晶の産出量トップだった世界だが、4年前に滅ぼされた。だが、直接滅ぼしたのはファーヴニルでも、ファーヴニルを目覚めさせた原因は管理局や管理世界の企業にあった! 彼らが欲望のままに私の世界を蹂躙した結果、封印を弱めさせてあの化け物を解き放ったのだ!」
「ということは……」
「そうだ、私はここにいる皆と同じなんだ! この世界の勝手な都合で、ニダヴェリールは滅ぼされた。その矛先が今度は皆の世界にも向いた! 目を開けてよく見なさい、私は未来のあなただ、あなた自身だ! 故郷を失い、家族を失い、友も失い、それでもこの世界の奴らは更に奪おうとしてくる。自由、権利、機会……それらさえ奪って奴らは好き勝手に弄ぶ! でも、それらは実は最後の搾取だ。皆が知らないだけで、既に搾取……侵略は進んでいる」
「ど、どういうことだ?」
「皆の世界は管理世界になってから、色んなことが変わったと思う。生活も便利になっただろう、でもそれは皆の祖先が大事に守ってきた文化を犠牲にして得られたものだ。例えばそこのあなた」
指さしたのは、最初に他の母語で現状を嘆いていた男性だ。
「あなたの母語……カーラ語でしょ?」
「あ、ああ。よく知ってるな……」
「あなたの世界でカーラ語を話す人間が減ってること、あなたは気づいてる?」
「そうだ、嘆かわしいことに、近頃の若者にはカーラ語すらしゃべれない者もいるんだ……」
「その理由は簡単だ、母語のカーラ語ではな
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