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リリなのinボクらの太陽サーガ
騎士のリベンジェンス
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4:むしろ煽ってみる。
5:いっそ放置してどこかに逃げる。

「6の唐突なストリップショーで連中の眼を釘付け、なんてのはどうかしら?」

「いきなり現れてなんてことを言うの、クアットロ!? 私、痴女じゃないよ!」

「コイツの冗談はともかく、デモ活動なんかに労力を割かれたら、後でこっちの負担が大きくなる可能性もある」

「かといって言葉だけで落ち着く様子じゃなさそうよ、アレ。なんかやたら熱の入った若造が天井に吠えてるし、最低限ストレス発散ぐらいはしないと落ち着かないでしょうね」

「ストレス発散、か……。……」

それじゃあ水をかけてもあまり効果は無さそうだし、説得の効果も止める方向には働かないだろう。となると……、

『いっそ爆弾のような歌でも歌ったらどうです?』

「爆弾のような歌? ロックのこと?」

「メタルのことじゃない? イクスが言ってるのは」

め、メタルっすか。ヘヴィメタルとデスメタルの違いもわからない私に、メタルを歌えと言うのですか、お二方は。

『いや私、メタルを歌えとは一言も言ってませんが』

「まあ俺はあの時の叫ぶような歌……題名何だっけ?」

「アクシア・イーグレット」

「そうそれ。ここで披露してみたら?」

「この熱気を逆に利用するって訳ね。演出なら私がシルバーカーテンで手伝ってあげるし、後で面白いことになりそうよ」

あ、なんか乗り気だこの人達。いやもう、歌ってどうにかなるなら別にやっても良いんだけど、変に盛り上げたら最後まで止まらなくなるんじゃ……?

「フフフ、準備は万端っスよ」

「これも修行の一環だと思えば中々に面白いものだ」

「ふ〜む、皆朝から元気なのだな……。私も何かした方が良かったか?」

「こらこら、怪我人が無理をしないでね。とりあえず中央に簡易ステージは用意したから、いつでもOKだよ」

うっそだろマジカぁール!?

ウェンディ達まで勝手に、というかシオンもいつの間に!? というかこの人達、実は娯楽に飢えてるだけじゃないの!?

……まあ、真面目な話。ここにいる市民達の多くが管理世界出身なのはもうわかってるけど、故郷を蔑ろにされることに憤る気持ちは多分、私と同じなのだろう。勝手な都合で大事な思い出のある場所を滅ぼされたら、そりゃあやりきれないもんね。だって……生きる気力ってのは心だけじゃなく、土地からも沸き上がるものなんだから。

それに原因が原因だから、今鎮めた所ですぐに再燃するのが関の山だ。なにせ管理世界の今後がかかってる以上、一過性の怒りで収まるはずがないからだ。だったらこの怒りは無駄に発散させるのではなく、“有効利用するため”に今は溜めておくようにするしかない。

―――腹、括るか。


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