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リリなのinボクらの太陽サーガ
騎士のリベンジェンス
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中にも暗黒物質が漂ってるからその分減衰も激しく、実際の威力は十分の一にも満たない」

「……」

「そんな脆弱な威力じゃ、倒すどころか傷つけることもできない。防御も弱くなる以上、魔法は強化などのサポートに専念させるのが最も有益だと思う。一応、属性変換すれば多少は効果があるし、身体強化を主に使って前線で戦う局員や騎士は、一般的な魔導師と比べてある程度まともに戦えてる。尤も、エナジー無しじゃ結局倒せないから、あくまで足止めしかできないんだけど」

「皆頑張ってるんだろうけど、それが実を結ぶかは別物だもんね。しかし各個人の努力も空しく現状維持すらできてないこの状況で、更に各勢力はバラバラになってる。相手は宇宙から次々来るのに、こっちは地上に押さえ付けられ、じわりじわりと戦力をそぎ落とされてる……」

D・FOXを立ち上げたは良いが、今後が暗雲に覆われていることに変わりは無く、憂鬱な気分に苛まれる。何でもいいからとにかく情報が……きっかけになる情報さえあれば何か思いつくかもしれないのに……。

「なんで俺の故郷が売られるんだ。それもミッドの連中のせいで……」

近くの席にいる市民が、ボソッと怒り混じりに呟く。ただその言葉はミッド語ではなく、別の言語で発せられていた。恐らく彼の母語なのだろう。

よく耳をすませば、ここに避難してきた市民のほとんどが管理世界出身者のようで、様々な言語があちらこちらから聞こえてきた。

「毎日毎日襲撃されて、知ってる顔がどんどん減っていって……もうたくさんよ!」

「どうしてここの人達のために、私達の世界が捨てられなきゃならないの……?」

「故郷が管理世界になったのはあくまで平和のためであって、道具にされるためじゃない。管理局は何を考えているんだ、畜生……」

「アンデッド相手じゃ管理局は役に立たないし、そもそもアウターヘブン社しかまともな戦いが出来てない。経済的支援のことも含めたら、最初からこっちを頼るべきだった」

「そうだ、管理局を信じたのがそもそもの間違いだったんだ!」

「こうなったらミッドチルダがどうなろうと関係ない! 俺達の手で故郷を守るんだ!」

「そうよ! あっちが私達を売るのなら、私達だってこの世界を売ったらいいのよ!」

あ、この流れヤバい奴だ。学生運動じみた熱気が食堂にいる市民達を包みつつある。きっと連日の襲撃によるストレスで、冷静な判断が出来なくなっているんだろう。

このタイミングでデモ活動なんてしたら、争って互いが疲弊した所をアンデッドが我が物顔で蹂躙してくるのが目に見えて浮かぶ。どうにかして彼らを落ち着かせないと、自滅に巻き込まれることになる。さて、どうする?

1:月詠幻歌に頼る。
2:水の魔法で頭を冷やさせる。
3:説得して止める
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