初陣
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る声が聞こえる。
彼らは迷っているようだった。
今いるこの場所は、待ち伏せする予定だった場所と違い、敵の位置からここまで、充分駆け上ることができる坂でしかなかった。
上側にいるこちらに利があるには違いないが、一方的に射かけるということにはなりえない。
必ず、反撃を受けるだろう。
そして、部隊の人数の上では、僅かにこちらが負けている。
何より、今ここまで通ってきた道は、速やかに退却できるとは言い難い道であった。
戦って生き残るには、敵を撤退させるか、全滅させるしかないのである。
だが、悠長にしていては、敵部隊が通り過ぎてしまう。
部隊長は決断した。
「……仕掛けるぞ」
私は、自分の体に緊張が走るのがわかった。
魔王領の住人達は、そもそも、平均的に体が大きく、力も強い。
少々数で劣っていようが、自分達より非力な人種相手に負けるはずがない、という自信と意地があるようだった。
遂に、戦いは始まろうとしていた。
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