第三章
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「何かとね」
「大阪のこと自体をですか」
「色々教えてもらってるわ、これからもね」
「そのお爺さんとお会いして」
「お話聞きましょう」
「安倍晴明のこと以外もですね」
「そちらも今後仕事に生きるかも知れないから」
それでと話してだ、実際にだった。
麻耶は健児を連れて連絡を取っていたその老人から安倍晴明の話を聞いた、話を聞いたのは二時間程でだった。
その後で二人は晴明神社の近くで老人の話を聞いた喫茶店を出た、それで今度は晴明神社自体に入って取材をしてだった。
本社に帰ろうとしたがここでだった。
健児は夕刻の道を歩きつつ麻耶にこんなことを言った。
「あの、何かですね」
「何かっていうと?」
「急に暗くなってきましたし」
時間のこともあってというのだ。
「人の多さは変わらないにしても」
「何か出そうっていうのね」
「そんな気しません?」
「私達八条大学だしね」
麻耶は自分の横で言う健児に笑って応えた。
「だからね」
「はい、どうしてもですよね」
「あそこ怪談話多いからね」
「百位ありますから」
「だからよね」
「何かこうした夕暮れ、逢魔ヶ時になると」
そう呼ばれる時間になると、というのだ。
「本当にです」
「何か出そうなね」
「そんな気がするんですが」
「私もよ、実際にこの時間はね」
夕暮れから夜になろうとする時はというのだ。
「出るのよ」
「やっぱりそうですよね」
「あの大学でもそうだったでしょ」
「高等部とかですね」
「あそこの正門に口裂け女が出るとか」
マスクをしていてそれを外すと口が耳まで裂けていてそれを見せて驚かせてくる妖怪だ、昭和から出ている。
「言われてるでしょ」
「夜が圧倒的に多いにしても」
「夕方もね」
「夜になろうっていうこの時は」
「そうでしょ、けれどね」
「そうしたことに怯えないで」
「妖怪が出たらその時よ」
その時はその時というのだ。
「恐れず驚かず」
「怯えずですね」
「それでいいのよ、驚いたらね」
「こっちが負けですね」
「驚いたら負けよ」
妖怪に対しはとだ、麻耶は健児の言葉を補完して述べた。
「妖怪に対してはね」
「向こうはそれを狙ってますし」
「だからね」
「驚かないことですね」
「冷静に対処すればいいのよ」
それが大事だというのだ。
「何が出て来てもね」
「冷静ですね」
「だから妖怪や幽霊にも慣れてるから」
それでとだ、麻耶は健児に答えた。
「八条大学にいたし」
「そうしたお話の多い」
「あとね」
「あと?」
「文芸って幽霊とか妖怪のお話多いじゃない」
麻耶は健児にこのことも話した。
「そうでしょ」
「そう言われますと」
「古典とかやたら出て来るでしょ」
「
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