第七十二話 大商人その十三
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「何かと」
「変装の時とかな」
「極端に低いとそれが特徴になるから」
「目立つさかい、あと起きた世界で車に乗ってもな」
「運転席が見えないとか?」
「いやいや、うちは見えるけどな」
「ああ、他の人が見えないんだね」
淳二もこの辺りの事情はわかった。
「あれだね、ナイトライダー」
「また古い番組出したな」
アメリカのドラマだ、運転手がなくとも動き自らの意志と思考を持っている自動車に乗って悪と戦うヒーローの物語だ。
「それうちも知ってるわ」
「あれみたいになるんだね」
「そや、それで何度驚かれたか」
「本当に小型なのも大変なんだね」
「普通の小柄さやったらええねん」
小柄は小柄でもというのだ。
「けれどそれがな」
「君位だと」
「ほんま苦労するで」
そうなってしまうというのだ。
「子供と間違えられたり変装にコツがいったり」
「そうしたことでだね」
「結構苦労するで、ただ隠れやすい」
「ああ、それはあるね」
「そやねん、ちょっと身を潜めたらな」
それでというのだ。
「隠れられるからな」
「そこはいいんだ」
「そうやねん、モンスターとの戦いでも有効やで」
「それでそうした戦術で戦ってきたんだね」
「そやで、ほな今からな」
「うん、明日ね」
「旅立とうな」
「あと一人だ」
久志は美奈代が仲間になったことを確信して笑顔で言った。
「それじゃあな」
「最後の一人を探してやな」
「ああ、冒険の旅を再開するか」
「そうして最後の一人を仲間にしたら」
「ローマに行ってな」
夕子がいて彼女を仲間にしたこの街にというのだ。
「そうしてな」
「あそこで旗揚げか」
「全ての道はローマに通ずっていうしな」
この島でもこの言葉は同じだ、ローマはこの島の交通と商業、そして宗教の中心地になっており人口も最も多い。そして商業以外の産業も栄えているのだ。
それでだ、久志もこう言うのだ。
「旗揚げするならな」
「あそこが一番っちゅうんやな」
「自分もそう思うだろ」
「ああ、統一の為の旗揚げするんやったらな」
それならとだ、美奈代も久志に確かな声で話した。
「あそこや」
「ローマが一番だよな」
「この島やったらな、下の世界は知らんけど」
どういった状況かもだ、彼等は今はまだ下の世界のことは海の魔神により石に変えられて海の中に沈められている世界としか認識していないのだ。
「それでもな」
「この島だとな」
「あそこが一番や」
統一を目指した旗揚げを行うならとだ、美奈代は久志にまた話した。
「うちも確信するわ、うちはセビーリヤに店あるけど」
「統一するならか」
「ローマや」
まさにという言葉だった。
「目の付けどころがええな」
「よし、じゃあ全員揃ったら
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