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レーヴァティン
第七十二話 大商人その七
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「それじゃあな」
「やること終わってな」
「それからな」
「旅に出よな、前はよお旅にも出たし」
「旅商人もしていたのかよ」
「金貸しはじめる前はそやってん」
 こう久志に話した。
「モンスター倒したり行商したり色々やったわ」
「そうだったんだな」
「モンスターが時々落とす宝物拾ったり」
「ああ、色々出るよな」
「そういうのを売ったりしてな」 
 そうしたこともしてというのだ。
「お金手に入れてたんや」
「それでその金でか」
「このセビーリャで金融業はじめて」
「今に至るんだな」
「最初うちは一文無しやったんや」
 女の口調はしみじみとした過去を振り返るものになっていた。
「けどそれがや」
「元手手に入れてか」
「そうしてな」
「金貸しやってか」
「一気に増えたんや、今は居酒屋や武器屋、道具屋、カジノ、宿屋とやってな」
「大金持ちか」
「そうなったわ、目指すはな」
 女は久志に明るい声でこうも話した。
「この島いやこの世界一の商人や」
「目指すはそれか」
「船使った貿易もしてそっちでも儲けてるし」
「幅広くやってるんだな」
「お金になるのはやってるで、ただな」
「ただ。何だよ」
「裏の商売とかやばいことはしてへんから」
 そうした商売には手を出していないというのだ。
「あくまで表だけやで」
「カジノもか」
「そや、モンスターの闘技場もやってるけど」 
「そっちもなんだな」
「表だけで奇麗に儲けてるで」
「ヤクザ屋さんみたいなことはしないんだな」
「ああした商売はすぐ目をつけられる」
 所謂公権力にだ、そうなってしまうというのだ。
「それで何かあればや」
「しょっぴかれるからか」
「やってへん、あとうち等の世界で言う風俗もな」
 こちらもというのだ。
「やってへんで」
「娼館もかよ」
「そっちもしてへんで」
「あれも儲かるんだろ」
「嫌な世界やから」
 風俗こちらの世界ではあからさまに売春と言われるこの世界はというのだ。
「どうしても裏が入りやすいし他にもな」
「色々あるからかよ」
「吉原みたいな世界は好きやないねん」
 女は実際に眉を曇らせて話した。
「それでや」
「そっちはしていないだな」
「そや、普通に儲けてるわ」
「表の商売でか」
「娼館も表やけど」
「裏が入りやすいからか」
「してへんわ」
 こう久志に話した。
「うちはな」
「成程な」
「まあうちもそうした商売は否定せんけどな」
「娼館はか」
「そや、ああした商売も必要や」
「人間パンと水だけで生きられないからな」
「それで必要やとは思うが」
 それでもとだ、また言う女だった。
「好きやない」
「それでしないんだな」
「そういうこっちゃ、幅広く商売してて
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