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能面
第三章

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「今回は色々回ったわ」
「最後だからこそ」
「そうしたのね」
「そしてね」
「最後には、よね」
「ええ、仮装ダンスパーティーも出て」
 そうしてとだ、かぐらから言った。
「最後の最後まで楽しむわ」
「高校生活での最後の文化祭だしね」
「それならやっぱりね」
「悔いがない様にしたいわね」
「とことんまで楽しんで」
「そうしたいからね、私達も楽しんだし」
 友人達もそうした、だからかぐらのしたこともわかるのだ。
 それでだ、かぐらに笑顔で話した。
「最後の最後もね」
「楽しんでそうして」
「いい思い出にするのね」
「そうするわ、絶対に」 
 かぐらは友人達に微笑んで話した、そしてだった。
 文化祭を楽しんでいった、それは文化祭の最後の日まで続いてそのうえで。遂に最後の仮装パーティーの時が来た。
 参加する面々はそれぞれアニメや漫画、ライトノベルや童話のキャラクターの服を着ていた。中にはフライトアテンダントやナースのコスプレもいる。
 かぐらの友人達もそれぞれ仮装に着替えていた、だが誰もがだった。
「露出は控えめね」
「そうよね」
「先生が止めてるしね」
「水着みたいなのとかないわよね」
「ゲームキャラのコスプレをしててもね」
 ゲームではそうした服も多いがだ。
「それでもね」
「皆それぞれの服着てるわね」
「私達もだけれど」
「何かとね」
 見ればそれぞれゲームや漫画のキャラの服を着ている、そのうえでだった。
 自分達以外の面々の仮装も観ていた、皆それぞれ面白い格好になっている。そのうえでかぐらを待っていた。
「かぐらちゃんどうかしら」
「どんな服で来るのかしら」
「楽しみよね」
「和風ってことだけれど」
「さて、巫女か振袖か」
「はたまた陰陽師かしら」
 友人達は和風の仮装というとこうした服ではないかと思って楽しみにしていた、だが校舎の方から急にだった。
 騒ぎ声がしてきた、それで彼女達はその校舎の方を見たのだった。
「?何?」
「何か騒ぎ声がするわね」
「どうしたのかしら」
「露出狂でも出たの?」
 そうではないかと思った、だがだった。
 校舎からダンスパーティーが行われるグラウンドに誰かが出て来た、皆その『誰か』を見て驚いている。それで彼女達もその何者かを見たが。
 それは何と日本の礼装、平安時代のそれを着ていてだった。頭には烏帽子そして顔には何と。
 能面を着けていた、若い女のその能面を被っているがその姿を見て彼女達も唖然として口々に言った。
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