第三章
[8]前話
「ここでさらに成績が上がったのは」
「どうしてなんだ?」
「うん、塾の先生に言われてね」
京は両親に素直に話した。
「それでその勉強の仕方にしたらね」
「成績が上がったか」
「そうだったの」
「もう教科書を隅から隅までね」
その勉強の仕方を実際に話した。
「何度も読んで書きたいなら書いて」
「隅から隅までか」
「何度もなの」
「問題も解いていったんだ」
そうしたというのだ。
「そうしたらね」
「そこまで成績が上がったか」
「そうだったの」
「うん、試験って教科書に出ている範囲しか出ないしね」
このことは絶対のことだ、学校の試験で教科書の範囲外から問題を出す様な教師は流石に存在しない。
「だからね」
「教科書を徹底的に覚えるか」
「隅から隅まで」
「そうしたらか」
「点数が上がったんだな」
「もう覚えたと思っても」
ここでも昭鋭に言われ実践したことを話した。
「何度もね」
「読んでそうして」
「試験に挑んだのね」
「そうなんだ、いや本当に何度も何度も読んだら」
教科書、そして参考書をだ。
「テストはいけるね」
「何度も読んでいくとか」
「それだけいいのね」
「もう暗唱出来る位になったから」
教科書の文章をまさに隅から隅までだ。
「成績が上がったんだ」
「そうか、案外な」
「勉強の仕方も簡単なのね」
「覚えていくことか」
「もう徹底的に」
「そうみたいだね、じゃあ俺これからも」
次のテストもそれからのテストもというのだ。
「何度も読んでそうしてね」
「覚えていってか」
「いい成績出していくのね」
「そうしていくよ」
こう言ってだ、京は自分の勉強の仕方を見付けた。そうしてそれからも勉学に励みテストでいい成績を出していった。その彼が言う勉強の仕方は実に単純なものだった。このことは何があっても変わらなかった。
読書百回 完
2018・2・13
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