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翠碧色の虹
第三十四幕:夜華に舞う虹
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七夏ちゃんを見るまで、もしかすると凪咲さんは幼い頃の笑顔の無い七夏ちゃんの写真と、凪咲さんの記憶の中の七夏ちゃんの笑顔とを差し替えて見ていたという事になるのか・・・凪咲さんの涙の意味を少しだけ理解できたような気がする。

七夏「柚樹さん?」
時崎「え?」
七夏「どしたの?」
時崎「ああ、なんでもない」

七夏ちゃんが気にかけてくれる。三人の後ろを歩くのは、俺にとっては華やかで良いのだけど、一般的視点では問題なのかな? その事を読まれたかのように、俺の隣を七夏ちゃんが寄り添うように合わせてくれた。七夏ちゃんに心配をかけるような事にならないよう、気を付けなければならないな。

七夏「くすっ☆ 」
心桜「よっ! ご両人!」
笹夜「まあ♪」
時崎「え!?」
七夏「・・・・・」

・・・この場合、からかってきた天美さんを、高月さんが注意してくれそうな気がしたけど、高月さんも天美さん寄りの状況だ。

時崎「なんて返せばいいのだろうか?」
七夏「え!?」
心桜「お兄さん! 声に出てるよ!」
時崎「声に出してるんだよ!」
心桜「あはは!」

三人は、お互いにそれぞれの相手が孤立しないよう、気を遣っている。その中に俺も加わっていいのだろうか?

心桜「駅前はさすがに、人が多いね!」
笹夜「お昼頃は、まだそんなに人も多くは無かったのですけど」
時崎「はぐれないように気をつけないと・・・七夏ちゃん!」
七夏「はい☆」
時崎「何か見てみたいお店とかある?」
七夏「えっと、どんなお店があるか分からないから順番に見るのがいいかな?」
時崎「了解!」

夜店の会場に付くと、多くの人がいて混みあっている。三人の浴衣姿はとても目立っていたと思っていたけど、周りに浴衣姿の人が多い為、夜店の舞台と上手く馴染んでいる。逆に私服の俺の方が浮いているような気がした。

心桜「お兄さんも、浴衣で来れば良かったかもね!」
時崎「今、そう思ったりしたよ」
笹夜「時崎さんの浴衣。似合うと思います♪」
時崎「ありがとう、高月さん! 次に来る事があれば、浴衣を考えてみるよ」
七夏「え!?」
笹夜「はい♪」
時崎「それにしても、何から見て回るか・・・だけど」
心桜「まずは食べ物からかな!?」
時崎「天美さん、お腹すいたの?」
心桜「あはは! まあ、それもあるけど、食べ物系を後に回すと手が塞がるからね!」
時崎「手が塞がる?」
心桜「っそ! 例えば風船ヨーヨーとか先に遊ぶと−−−」
時崎「なるほど!」
心桜「昔、つっちゃーが先に風船ヨーヨー始めて、後でたこ焼きを食べにくそうにしてたよね!」
笹夜「まあ!」
七夏「もう・・・ここちゃー!」

天美さんから、昔の七夏ちゃんの事が聞けて嬉しく思う。やはり、七夏ちゃんの事を
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