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翠碧色の虹
第三十四幕:夜華に舞う虹
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凪咲「心桜さんの浴衣は、裾丈が短くて珍しいわね」
心桜「はい! 動きやすさ重視です!」
七夏「今は、ここちゃーみたいな浴衣も人気みたいです☆」
心桜「これで、犬に裾を噛まれる事もないっ!」
笹夜「まあ! 心桜さん・・・それで丈の短い浴衣を?」
七夏「ここちゃー、気にしなくてもいいよ☆」
心桜「あはは! 今のは、そんな事もあったなーってだけで、どっちにしても動きやすい方がいいから!」
凪咲「柚樹君」
時崎「はい」
凪咲「七夏達のこと、よろしくお願いしますね」
時崎「はい! 任せてください!」
心桜「お兄さん! 頼りにしてるよ!」
笹夜「時崎さん、よろしくお願いします♪」
七夏「柚樹さん、よろしくです☆」
時崎「ああ! それじゃ!」
心桜「待ってろよ! 花火〜!」
七夏「くすっ☆」

写真機を持って歩くのと、華やかな三人の様子を見ながらだと、自然と三人の後を付いてゆく形となる。七夏ちゃんが時々、俺の事を気遣ってくれる。この構図、以前、海に出掛けた時の事を思い出す・・・ん?
なんか、天美さんが蛇行というのだろうか? ジグザグと斜めに歩いているようだけど、これは?

時崎「天美さん、どうしたの?」
心桜「ん? 暑いから日影をなぞってただけ」
七夏「くすっ☆」
時崎「日影!?」
心桜「っそ!」
そう言うと天美さんは、長くなった電柱の影をなぞるように歩いては、次の電柱の影へ身を重ねる・・・それが結果的にジグザク歩きになっていたようだ。
時崎「なるほど」
笹夜「心桜さん、危ないですよ」

天美さんの事をを心配して高月さんが軽く注意をする。

心桜「あはは! 大丈夫ですって!」
七夏「昔みたいに家の近くの商店街でも、夜店があればなぁ☆」
笹夜「七夏ちゃんのお家の近くで夜店があったのかしら?」
七夏「はい☆」
心桜「そう言えば、昔はあったよね? いつから無くなったんだっけ?」
七夏「私たちが中学1年生の頃だったかなぁ?」
心桜「そんなに前の事でも無いんだよね?」
七夏「今は、駅前の商店街で夜店を行うようになりました」
笹夜「そうなの・・・」

七夏ちゃんは昔の事を想ってなのか、少し寂しそうな表情に思えた。

心桜「でもさ、駅前だってそんなに遠い訳じゃないし、夜店の規模も大きくなって花火も見れるようになったからね!」
七夏「はい☆」

七夏ちゃんたちの幼い頃の事を俺は知らないけど、以前に凪咲さんが見せてくれたアルバムの幼い七夏ちゃんの姿と、今のお話を重ねて考える。だけど、幼い頃の七夏ちゃんの笑顔を俺は知らないから、今の七夏ちゃんの笑顔をさらに重ねるしかない。何度も記憶を重ねると、もうそれは本当の思い出ではなく、都合良く合成された思い込みとなってしまう。凪咲さんが俺の撮影した笑顔の
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