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翠碧色の虹
第三十四幕:夜華に舞う虹
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てしまう。凪咲さんや直弥さんもきっと喜んでくれると思う。お部屋で三人別々に撮影していた浴衣姿の写真の輪郭を大まかに切り取って、三人一緒に並べてみると、より一層華やかさが増した。後で撮影した三人一緒の浴衣姿とはまた違う華やかさだ。

時崎「これは華やかでいいな! そう言えば!」

更に、ひとつのりんご飴を順番に持って撮影した三人も同じように合わせて見る。三人がみんな一緒にりんご飴を買ったような構図となった。ざっくりと切り抜くのはお手軽だけど、切り取った縁が気になるので輪郭の線を少し太くしてみた。

時崎「そんなにおかしくないから、これはこれで保存しておこう!」

「七夏ちゃんへのアルバム」の輪郭の切り取りは、もっと時間を駆けて自然な状態に調整する必要がある。その作業も少しずつ進めてゆく。

コンコン! と扉が素早く鳴った。この音は、七夏ちゃんではないな。

心桜「お兄さん!」
時崎「天美さん。どうぞ!」

扉が開いて、天美さんが姿を見せる。

七夏「柚樹さん☆ お風呂どうぞです☆」

天美さんの後から七夏ちゃんも顔を見せてくれた。二人とも見慣れた風水の浴衣姿だ。

時崎「ありがとう。高月さんは?」
心桜「笹夜先輩?」
七夏「えっと、お部屋で髪を整えていると思います☆」
心桜「お兄さん、笹夜先輩の事が気になるの?」
七夏「え!?」
時崎「え!? あ、いや。いつも三人一緒だから」
七夏「くすっ☆」
時崎「じゃ、お風呂で流してくるよ!」
七夏「はい☆」

このままだと、天美さんの追撃が予想されたので、俺はさっと部屋を片付けて風呂場へと向かう。

七夏「柚樹さん☆」
時崎「え!?」
七夏「えっと、このままお布団、準備しておきますね☆」
時崎「ありがとう。七夏ちゃん!」
心桜「あたし、このままお部屋、ガサ入れしておくね!」
時崎「しなくていいっ!」
心桜「あはは!」
七夏「もう! ここちゃー」
心桜「あたしも手伝うよ!」
七夏「はい☆」

 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

お風呂に浸かりながら、今日一日を振り返る。七夏ちゃんと同じ香りに包まれていると、とても心地よい。夜華に舞う「ふたつの虹」は本当に可愛かった。心残りなのは、七夏ちゃんへ「可愛い」と言葉に出来なかった事。七夏ちゃんの「可愛い」に対する反応がよく分からない。このままだと息が詰まりそうになる。何が原因があるはずだ。

手早くお風呂を済ませて居間へ戻る。七夏ちゃんたち三人も、居間でのんびりと過ごしているみたいだ。

七夏「あ、柚樹さん☆」
時崎「七夏ちゃん! お疲れさま」
七夏「くすっ☆ 冷たいお飲み物を用意しますね☆」
時崎「ありがとう!」
心桜「お兄さん、お疲れー!」
時崎「どうも!」
心桜「ほらほ
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