第三十四幕:夜華に舞う虹
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幼い頃は花火大会や夜店に心躍ったりしたけど、ここ数年はご無沙汰だった。その気になれば花火を見にゆく事だって出来たはずだけど、人が多い所で写真を撮影するのを拒もうとする自分が居た。写真を撮影する事を考えなければ良いのかも知れないけど・・・。でも、今日は今までと違ってとても楽しみにしている。七夏ちゃんたちに感謝しなければならないな。
七夏ちゃん、天美さん、高月さんの三人は浴衣に着替えている。その間に俺は写真機の準備と確認を行っておく。自分の部屋に荷物を取りに2階へ上がった時、楽しそうな三人の声が聞こえてきた。会話の内容が気にはなったが、盗み聞くのは良くないので、そのまま居間へ戻って七夏ちゃん達を待つ。
心桜「あ! お兄さん!」
時崎「え!? あっ!」
心桜「あはは! 絶句してる!」
時崎「なっ!」
心桜「慣れないと、ちょっと恥ずかしいね」
初めて見る天美さんの浴衣姿。いや、浴衣姿なら民宿風水の浴衣姿は見てはいたけど、今の天美さんの華やかな浴衣は、普段のイメージと大きく異なった。赤と橙を基調とした少し派手な浴衣だけど、膝くらいまでしかない短い丈に目を奪われる。
時崎「天美さん、その浴衣、膝丈が結構短いね」
心桜「そだね。今はこういう動きやすい浴衣もあるみたいだね!」
時崎「なるほど、動きやすさか・・・天美さんに良く似合ってると思うよ」
心桜「そうでしょ! ありがと!」
天美さんは手に持った下駄をその場で履いて見せてくれた。
心桜「見よ! これで、完全体だっ!」
時崎「え!?」
天美さんは、その場でポーズを取った。これは・・・そういう事か!
時崎「んじゃ、天美さん、そのままで!」
心桜「〜♪」
俺は、華やかな天美さんの浴衣姿を一枚撮影した。
時崎「ありがとう! 天美さん!」
心桜「いやいや、こちらこそ!」
時崎「でも、ここは土足禁止だよ!」
心桜「下駄は初回限定で土禁免除だよ!」
時崎「まあ、確かにそうだけど」
心桜「この下駄はまだ、外の世界を知らない箱入り娘!」
笹夜「心桜さん! その言い方、なんとかならないかしら?」
心桜「あはは!」
天美さんに次いで、高月さんも姿を見せた。
笹夜「時崎さん♪ お待たせしました♪」
時崎「た、高月さん!」
心桜「あっ! お兄さんどもった!」
時崎「うっ!」
高月さんの浴衣姿は、優しい緑色基調で、天美さんの浴衣とは違う上品さが漂ってくる。裾丈も足首まで届く一般的な浴衣だ。控えめな髪飾りと相まって高月さんのイメージに良く似合っていると思う。
笹夜「おかしくないかしら?」
時崎「とても上品で、高月さんのイメージとよく合っていると思うよ!」
笹夜「まあ♪ ありがとうございます♪」
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