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緑の楽園
第三章
第28話 暗殺者
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けた。

「あなた方の文明は、一度崩壊しています」
「……!」
「そして、あなた方の時代の文明を引き継いだのは我々です。今のこの世界の自称人間たちではありません」
「な、何だと……?」

「我々が拳銃を持っていることがよい証拠です。この国の者たちは持っていないでしょう?」
「……」
「我々の組織こそが人類の歴史では本流で、今この世界にいる自称人間は亜流なのです。亜人と言ってもよいのです。
 我々は高度な文明を持つ真の人間として、同種であるあなたをお迎えしたいのです」

 ……。
 この世界の文明のレベルが高くない。
 その理由について、『一度文明が崩壊した』というのは、今までまったく考えたことがなかったわけではない。

 だが……。
 なぜ崩壊したのか、なぜこいつのグループだけは文明を引き継げたのか、今のこの世界はなぜ文明の発達が妙にゆるやかなのか……等々、とにかく謎が多い。
 謎はそのままで、結果だけを今知らされても、混乱が増すばかりだ。

「す、すまん、ちょっと頭が整理できない……」
「そうですか……」

 またタケルのほうは困り顔だ。
 どうしたものかという感じなのだろう。

「話にならんな」

 突然、目の前のタケルとは違う声。

 その声は、彼の背後から聞こえてきた。
 はっきりと聞き覚えのあるものだ。

 彼の背後の壁。この部屋に入ったときは薄暗くて気づかなかったが、片引き戸があったようだ。
 それがスッと開いた。

「タケル、やはりお前では無理だ。ここから先は私が代わる」
「……」

 あらわれた男は、予想どおりだった。
 俺の素性を知っていて、そして俺が今日神社に行くことも知っている人物――。
 筆頭参謀のヤハラだった。
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