三十四日目
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あの時メティとサンディを助けてからアジトのログハウスに戻ったんだ。
『ログハウス? 相談役のプレイヤーホームか?』
いや、近くの村でNPCの家に『下宿』していた。
『NPCの家か……』
続けるぞ。
簡単な事情を聞いてからメティとサンディを小脇に抱えて翅とタラリア使って帰ったんだ。
そしたら二人とも気が抜けたのかわんわん泣き出したんだよ。
「アンタ……いったい何があったの?」
ってカールターナーに聞かれたから、二人をあやしながら事情を説明したんだ。
「無限PKですって!? ……アンタソイツらどうしたのよ?」
「取り敢えず全員殺してリメインライトにした」
「それだけで帰って来たって言うの?」
「この二人を助けるのが優先だろうが」
「………そうね」
って会話があった。
『その後君達はどうしたんだい?』
その後は少し苦労したよ。
二人が離してくれなかったんだ。
「やなの! おいてかないでお兄さんお姉さん!」
「離れたくないの!」
ってな。
『離してくれなかったって……当時9歳だろ? 相談役とカールターナーさんはどうやって説得したんだ?』
あんま言いたくはないが……二人の家に行った。
『『は!?』』
ちょうど日曜日の午前だったからな。
『ちょっと待ってくれ灯俊君。つまり君達は二人からリアルの住所を聞き出して押し掛けたのかい?』
ネットリテラシーの話は後で聞こう。
あの時は仕方なかったんだよ。
あの二人を置いては行けなかった。
家に行くと二人の父親が応じてくれた。
「はい、氷見ですが。どちら様でしょうか?」
って。結構若い人だったな。
『取り合ってくれたのかい?』
慧奈が取り合わせたんだよ。
あの時の慧奈の剣幕は凄かった。
親なら責任を、とか。
子供を守れ、とか。
『凄いな…カールターナーさん』
ああ、それで部屋に上がると二人に抱きつかれた。
俺達はリアルとヴァーチャルで容姿が同じだからな。
『へぇ…。お父さんはその間どうしてた?』
凹んでた。
部屋で泣いてた二人に気付けなかった事を後悔してたよ。
『母親は?』
慧奈に泣かされてた。
『『うわぁ…』』
それで俺と慧奈と林檎と蜜柑と父親と母親で色々話し合ったのさ。
その時はリアルバレなんて気にしていなかった。
どうでもよくなるくらい、二人が怯えていたからだ。
『それで?』
俺達が報復の話を持ち出したら両親は土下座して言ったんだ。
「どうかお願いします」
ってな。
「私たちでは報復する力がありません。どんなお礼で
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