機動戦士ガンダム
2181話
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なかったのだ。
だが、そんな俺の言葉にあやかは首を横に振る。
……その際にビーチパラソルの陰から出た金髪がハワイの太陽に煌めき、スリングショットで覆われている豊かな双丘も柔らかそうに揺れて俺の目を奪おうとしてきたのだが……取りあえず、何とか意思の力で目を奪われるのを回避する。
「アクセル君、ゴップ大将は今のような時には色々と評判が悪いですが、実際には有能な軍人ですわよ。どちらかと言えば軍政家とでも呼ぶべき能力を持っている人物です。それに、補給に関してはゴップ大将が任されており、そのおかげで地球上……いえ、宇宙においても連邦軍が物資不足になるようなことには、今のところなっていません」
「……言われてみれば」
戦争というのは、かなりの物資を消耗する。
人間だけが戦うのであっても武器や食料、水、それ以外にも様々な物を消費するのに、そこに戦車や戦闘機といった機体が混ざってくれば、その消耗はもの凄い事になる筈だった。
ましてや、MSを相手にかなり負け越している連邦軍としては、消耗品以外に破壊された機体も補充する為に運ぶ必要が出てくる。
それが地球上のあらゆる場所で行われ、宇宙においても地球程ではないが、遭遇戦という形で行われている。
それを考えれば、連邦軍がこの状況で補給物資不足になっていないというのは、かなり大きい。
……シャドウミラーの場合は、それこそシステムXNを使った転移技術があるし、俺の空間倉庫という手段もある。
だからこそ、ゴップがそこまで有能だという事には気が付かなかったのだが……
「なるほど。ゴップは有能、か」
「ええ、少なくても政治班の認識ではそうなっていますわね」
俺の言葉にあやかはそう告げる。
そこに疑念の言葉といったものはなく、あやか本人もゴップを有能な人物だと、そう思っているのだろう。
連邦軍では侮られているゴップが、実は有能か。
いやまぁ、本当に全員から侮られているのなら、それこそ大将なんて階級にはなれない以上、連邦軍の中にもゴップを認めている者はいるのだろうが。
「政治班の見立てでは、レビル将軍が復帰してMS開発について取り組んでいる最大の理由として、ゴップ大将の存在が原因ではないかと判断していますわ」
「……そこまでか」
有能だとあやかが言うからには、ゴップは間違いなく有能なのだろう。
だが、あやかが説明した内容は、俺が考えていたよりも遙かにゴップが有能であるという事を示している。
考えてみればレビルだけが有能であっても、連邦軍という組織の巨大さを考えれば、当然のようにレビルだけで連邦軍全体をどうにか出来る訳がない。
それが可能となっているのは、ゴップの能力のおかげという事だろう。
「それにしては、ゴップの評判が散々だけどな」
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