第三章
第27話 面談 +登場人物紹介
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が黒っぽいため、白黒モノトーンが少し不気味である。
参謀の一人、ヤハラという名前だったはず。
「ご苦労。君にはきちんと自己紹介をしたことがなかったな。私はヤハラ・ヒサミツだ。以後よろしく頼む」
「オオモリ・リクです。よろしくお願いします」
年齢は五十歳くらいだろうか。中年だが、今見る限りでは腹も出ておらず、スタイルは良い。
前に国王に聞いたことがあるが、参謀の中では一番年長で、発言力も一番強いらしい。
自分の中では、大苦戦だった砦攻略戦の戦犯は、この人物だ。
最終的に勝ったので特に責任論は出なかったようだが、今考えると酷い作戦だったと思う。
さらには国王に遺跡入りを勧め、結果的に国王を暗殺の危険にさらし、俺が負傷する遠因ともなった。
なので、この人に対してはあまりよい印象がない。見かけは切れ者なイメージだが、実は能力がないのでは? と思っている。
ヤハラが座ると、もう一人の参謀も立ち上がって挨拶をしてきた。
「私はウィトスです。以後よろしく」
俺も挨拶を返す。
割と柔和な印象だった。体格は中肉中背で、ヤハラより少し年下といったところだろう。
ウィトスは姓ではなくて名のほうだろうか? この時代ではフルネームで名乗る習慣がない。通称で名乗るのが普通である。先ほどのヤハラのように、フルネームで名乗るケースは非常に珍しい。
ウィトスが着席すると、俺も手前の椅子に座った。クロは俺の横でお座り姿勢になる。
最後に、奥側の一番下の席にヤマモトが座り、話し始めた。
「さて、では始めさせていただく。お前が書いた遺跡の件での報告書を、我々三人で読ませてもらった」
「ありがとうございます」
「今日はその内容について、我々から、この国の参謀として質問をしたい。陛下も聴取については了承済みである。よいか?」
「はい、答えられる範囲で答えます」
――その件か。
国王にも根回ししているのであれば、嫌ですとは言えない。
ではウィトス殿、宜しく頼みます――そうヤマモトが振って質疑が始まった。
「では質問させてもらうよ。まず君についてだ。報告書には、遺跡についてかなり細かく書かれていた。今後出土が予想されるものまで書かれている。まるで、この遺跡が建造物として生きている頃を見ていたかのような書き方だ。なぜそこまでわかるのか。そう思うのは当然だよね」
「まあ、そうでしょうね」
「陛下からは、君が古代人だからという旨の説明をもらった。陛下の言うことを疑っているわけではないが、本当なのかい?」
俺が古代人であるという前提がないと、あの報告書は単なる妄想文であるはず。
こうやって本人を呼び出して確認を取ってくるのは、当然の流れだとは思う。
「はい。本当ですよ。
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