第三章
第27話 面談 +登場人物紹介
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首都に来ていた子供たちは、カイルを除いて町に帰ることになった。
俺はクロやカイルと一緒に、城門の外まで見送ることにした。
カイルは町長と院長から頼まれごとがあるようで、何日か首都に残る。
その何日かは首都の宿屋に……泊まってくれるわけはなく、俺が使わせてもらっている城の客室を相部屋で使うとのこと。
「じゃあリク、頑張ってね!」
「ああ、ありがとう。みんな元気でな。エイミー、手紙よろしくな」
「まかせなさい!」
エイミーには、下手な字で書いた手紙を渡した。
町長および孤児院の院長宛のもので、現状の報告と、そして子供たちをわざわざ寄越してくれたお礼が書いてある。
最後に、再度一人一人と抱擁し、送り出した。
子供たちは、少し進んではこちらを振り返り、手を振った。
俺も手を振りかえした。
子供たちの姿が完全に見えなくなるまで、見送った。
門の外には、さわやかな風が吹いていた。
ほんのり暖かく、適度に乾いている。そして新緑と花の香りが鼻孔をくすぐる。
春の風だ。実に気持ちいい。
少しの間だったが、子供たちに再会できてよかったと思う。
疲れも癒え、やる気が湧いてくる気がした。
俺は大きく伸びをした。
「さてと、中に戻るかな」
「りょうかいー」
「コラ、昨日散々くっついてただろ。離れなさい」
「へへへ」
廊下を歩く。目指すは俺が宿泊している部屋だ。
「そういえば、カイル。お前の用事って、城の中で済むことなのか?」
「ん? あー、済むのもあるけど。挨拶回りとか、街に出ないといけないのもあるね」
「そうか。まったく心配していないので適当に頑張ってくれ」
「えー、ちょっとは心配してよ」
「お前は何でもできそうだからイマイチ心配する気に……ん?」
廊下の先から、一人歩いてきた。
コスプレ参謀のヤマモトだ。俺らの前で止まる。
「オオモリ・リク、少し話があるのだが。今日空いている時間はあるか?」
「はい、俺なら今日いつでも大丈夫ですけど。すぐこの後とかでも平気ですよ?」
「そうか、助かる。ではぜひ今お願いしよう。こちらに来てくれ」
カイルと別れ、俺はクロと一緒にヤマモトに付いていった。
今日は特に何もなければ神社に行き、時間が余ったら調査活動に使おうと考えていた。
特に緊急でやらなければならない用事はない。
見覚えのある部屋に案内された。
昨日俺が使っていた、小さい打ち合わせ室である。
部屋の奥側には、既に二人座っていた。どちらも見覚えがあった。
今までヤマモトと三人で打ち合わせをしていたのだろう。
一番上座に座っていた酷く色白の男が、俺の姿を見ると立ち上がった。
服
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