第6章:束の間の期間
第174話「帝の戦い」
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「(暴走しているとはいえ、時間が経てば学習するはずだ。自我がない訳じゃないからな。……その前に、対策を練らなければ負ける……!)」
猪突猛進な戦い方になっている今の内に相性の悪さをどうにかするべきだと考える。
相手は腐ってもトップクラスのポテンシャルを持っている。
長期戦は明らかに帝の方が不利だった。
「(思い出せ!優輝はどうやって攻撃を徹していた……!あの少ない魔力で、どうやって……!)」
対策で真っ先に思いついたのは、以前の優輝と神夜の模擬戦。
魔法を使って間もなく、魔力も少なかった優輝は、それでも神夜に勝った。
その時に使っていた手段を、帝は振り絞るように思い出す。
「(魔力の集中、貫通力の高い魔法……そうか、一点集中か……!)」
普通に防御力を突破できる力が出せないのなら、それを?き集めて一点に集中する。
そうする事によって、その一点のみ、攻撃力は飛躍的に上がる。
「(考えりゃ、簡単な事だ……!俺には魔力がある、多少荒くても、行ける!)」
気が付けば、神夜は帝の目の前まで迫っていた。
バインドなどで足止めをしていたが、大して意味はなかったようだ。
ギィイン!!
「おらぁあああっ!!」
―――“魔爆掌”
振るわれるアロンダイトを、王の財宝の射出で逸らすように防ぎ、掌底を放つ。
だが、それは掠めるように外してしまう。
「ちぃっ……!」
「っ……!」
掠めただけとはいえ、威力は確かだった。
炸裂した魔力は神夜の体勢を弾き飛ばすように崩した。
「(下手に放っても当たらないか。しかも、今ので警戒度が上がったな)」
体勢が崩れている間に、帝は間合いを取る。
変に好機だと思って深追いすれば痛い目を見ると思っての行動だった。
「(とにかく、基本方針は一点集中の攻撃だな。後はあいつの攻撃をどう凌いで、俺の攻撃に繋げていくか……ちくしょう、ビジョンが見えねぇ……)」
魔法陣を展開し、砲撃魔法のための魔力を集束させながら帝は思考を巡らす。
しかし、勝つための道筋を、帝は想像出来ずにいた。
今まで、一度も神夜に勝てた事がないからだ。
「……けど、それでも勝たねぇとな……!」
“変わって見せる”。そう決意した帝は、それでも諦めない。
道筋を想像出来ないのならば、随時判断を変えていけばいいと、そう考えて。
「まずは手始めだおらぁ!!」
―――“Ray Buster”
「っ!」
集束させていた魔力を撃ち放つ。
普段よりも集束させたその砲撃魔法は、神夜の防御力を貫く程の貫通力だった。
それを察したの
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