暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第6章:束の間の期間
第174話「帝の戦い」
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考えた。

「(とにかく特典を使いこなす!メタ視点で能力を知っているからこその使い方で、要所要所に対処するようにすればいい!)」

 瞬間、帝は“手を抜いて”投影した武器を神夜に向けて射出する。
 それらはあっさりとデバイスのアロンダイトに防がれ、奪われてしまう。
 しかし、奪われたとしても手を抜いた投影による武器。
 強度はそこまで高くなく、続けて撃ちだされる武器を防いでいる内に砕ける。

「(考えろ、思考を止めるな!“手段”ならいくらでもある!)」

 “王の財宝”と“無限の剣製”。
 この二つの能力があれば、大抵の事は対処できる。
 故に、後は帝の判断力に掛かってくる。
 そんな戦い方を、帝はこれまで何度も練習してきた。
 何があっても対処できるようになるために。
 自身の背中を押してくれた、優奈(好きな子)に応えるために。

「エア!通常の剣の形になれるか!?」

〈可能です!〉

「なら頼む!俺が扱うには、技量的にも人としての格としても力不足だ!」

 手を休めずに基本骨子を飛ばして投影した武器を射出し続ける。
 その間にエアを普通の剣に形態を変える。
 元ネタの形である円筒型では、あまりに扱いづらかったからだ。

「おおっ!!」

「っ!」

     ギィイイイン!

「おら、砕けろ!!」

     バギィイン!!

 射出を継続しながらも、帝は神夜へと斬りかかる。
 上空から振り下ろした一撃はあっさりと防がれてしまうものの、すぐさま繰り出した次の一撃で奪われていた剣を砕く。

     ギィイイイン!!

「(粗悪品が残っている内に、叩く!)」

 神夜のもう片方の手に握っていた剣が振るわれる。
 それは、地面から王の財宝で剣を出す事で、盾のようにして防ぐ。

「はぁああっ!!」

「がっ……!?」

 片方の剣は砕け、もう片方は防がれた。
 それにより神夜は無防備になり、そこへ帝の一撃が叩き込まれた。

「ぁああっ!」

「っ……!効いてねぇ……!」

 だが、その一撃は神夜に通じなかった。
 威力が足りないため、“十二の試練(ゴッド・ハンド)”によって防がれたのだ。
 間一髪反撃の拳を躱し、粗悪品の投影武器をぶつけながら後ろに下がる。

「エア!身体強化を限界までやれ!」

〈はい!〉

 帝はすぐさま身体強化でステータスを底上げする。
 こうでもしなければ、攻撃が通じないと悟ったからだ。

「(割と強烈な一撃のはずだぞ……!なのに、それでも通じねぇのかよ……!)」

 予想はしていたが、想定以上の堅さに歯噛みする。
 幸い、ヘイトが帝に向いたため、注意を引き付ける事は出来ている。


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